賭け

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ね、寝れなかった……! 夕実は朝日を浴びながら絶望した。 クマが出来ていないか、慌てて鏡で確認する。 ホッと一息ついて、パジャマが汗びっしょりな事に気付いた。 かなり早いけど、お風呂に入ってから着替えちゃおう。 夕実は少し震える手足に気付かないようにしながら、部屋を出た。 一回目のお出かけは、会社の近くの居酒屋。 二回目のお出かけは、洋服好きの雅人に合わせてショッピング。 そこからいきなり、いかにもデートという感じのプラネタリウム。 ハードルが高かったかなぁ。 夕実は待ち合わせの三十分前に現地に着いてしまっていた。 プラネタリウムのある公園の広場は、カップルだらけだ。 私と雅人さんも、周りから見ればカップルに見られちゃうのかな。 夕実は一人でにやついた。 待ち合わせまで、夕実は公園を一巡りしながら、ひとつの考えに辿り着いていた。 このままじゃ、いけない。 前に進めるかどうか。 ――賭けをしよう。
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