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雅人の腕が動き、夕実の緊張は最高潮に達した。
お願い、どうか、手を……!
雅人の手が近づいてくる。
夕実は反射的に目を瞑った。
ぽん、と頭に軽い衝撃。
さらさら、と髪を撫でられる感覚。
夕実がそろり、と目を開けると、雅人が夕実の髪を撫でていた。
えええええ!
えっ、頭!?
頭、なでなで!?
まさかの行動に、夕実は混乱して内心叫んだ。
雅人は満足そうに微笑むと、また天井に向き直った。
夕実の心臓はバクバクいっている。
高まるクラシック音楽と共に、リズムを刻んでいる。
私は今、雅人さんに、頭を撫でられた。
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