賭け

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「プラネタリウムに行きませんか?」 夕実の一言で、雅人との三度目のお出かけが決まった。 デートと言うには、まだ距離のある二人。 誘うのはいつだって夕実からだった。 新入社員の夕実から、入社十五年の大ベテランである雅人を誘う。 それは、けっこうハードルの高いものだったが、夕実は果敢に立ち向かった。 部署の飲み会などから漏れ聞いた雅人の好みを元に、誘えるプランを考える。 もはや夕実にとっては、一大プロジェクトになっていた。 今回のプラネタリウムも、星降る夜にクラシック企画。 クラシック好きらしい雅人を誘うには、うってつけの企画だった。 そこのプラネタリウムは基本カップルシートなのも狙い目だ。 リクライニングソファーが二つ並ぶような形で、二つの間はフラットになっていて仕切りがない。 ほぼ寝転がる姿勢になることを考え、夕実はロングのワンピースをチョイスした。 真夏だけど、羽織るカーディガンも忘れない。 雅人は露出の少ない女性を好むらしいのだ。 準備万端。 あとは明日のお出かけに挑むのみ。 夕実は目覚ましを三つかけ布団に入ると、きつく目を瞑った。
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