理想が壊れる時

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雅哉は帰ってきたらすぐに行動に移した。 ポケットの中からデバイスを出して、自分のノーパソにセット。 そのまま中に入っていたデータをもとに新しく「鍵」を偽造する。 そのまま、打ち込みまくる命令文書…てか、繚先輩のことはカフェでコーヒーのんで萌花先輩と喋っているところしか見てないからこんな文書で騙されるかなぁと心配になる。 混乱している姿を見るとき、大切なことは落ち着かせること…だから文書の内容も何かずいぶん大きく出てしまったが…これで何人か動いてくれれば良いが。 でも、リーヴル相手だと下手なことは書けないんだよなぁ…大切なことは作戦を練るためと土産にするために内部の情報を探ることだ…感づかれては困る。 まぁ、隊長の名前は伊達ではあるまいよ…今は裏工作中でメンバーはパニック状態。 引き抜きで混乱している指揮系統に他人のIDと名前を偽造した成り済ましの偽メールという馬鹿馬鹿しいメールを異能機関のホットラインに送信し、自分は繚先輩のIDを使って機関のメインサーバーからマップデータとメンバーリストを引っ張り出しコピーしてプリントアウト。 もちろん、上司からの贈り物である…さっきはこれを引っ張り出していたのだ。 隊長権限となると、実のところもっと調べられることはたくさんある。 しかし、雅哉の目的は交渉の名代であってサイバー攻撃やましてやシステムダウンではない。 後で話をつけやすくするために、ここで手に入れたリーヴルの裏工作の情報を手土産に組織と話をつけさせろと本物の繚先輩に迫るのだ…あんまり他人の名前でいろいろやらかすと同盟どころじゃなくなるからね。 やはり、人間仲良く「穏便」に分かりあわなくてはいけないのである…もっとも後で数発殴られるだろうけど。 それにしても、総司令がいないのか…相当ヤバい状況だなぁ。 リーヴルだから消しているかもしれないが、たぶんそれはないことだと信じたい。 リーヴルの目的はこの町のヌシを起こすこと…かなり大がかりな計画だから準備中にバレて周りに邪魔されても困るだろう。 それに気づかないぐらいにおかしいとか、リーヴルの裏工作のスピードって速すぎる。
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