10人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
やっぱり、集め方はろくでもないんだろうなぁ…秘密組織としてはまとまらなくてはならないし…あまりにも不毛だ。
まぁ、雅哉が加入しているサイトを利用すれば集めた噂はいろいろ出てくるが…見れば見るほど虚しくなるので必要以外には調べないようにはしている。
いろいろ考えると、暗い方に考えが引っ張られて怖くなる。
そういえば、本物の繚先輩の方も何とかしなくちゃならない。
今帰還したら、とんでもないことになるからなぁ…ちょっと萌花先輩にも動いてもらおう。
カタカタ…。
雅哉は仕事用のアドレスで彼女に緊急の連絡メールを送る。
やむを得ずカフェのシフトに休みを入れて欲しい時などに使うのだが、別に仕事絡み以外で使っちゃいけない決まりはない。
『すみません、萌花先輩。
実は繚先輩が商店街で女子と走っている姿も見かけまして…。』
さっきの魔物との戦闘からだ。
戦場とはいえ、繚先輩が部下の女子と一緒にいたことは事実なので雅哉は嘘はついていない。
萌花先輩は自分が隠れ異能であることを知らない…二人は彼氏彼女設定だから萌花先輩は必ず誤解して繚先輩を追いかけて問い詰めるはずだ。
話は誤解と話せない秘密が混じってこじれるだろう…繚先輩は萌花先輩の監視の任も受けているから二人はまず離れられないし、早まったことはさせられない。
これで1日は稼げると良いんだが。
「穏便」だが、またひとつ危ない橋が…やっぱりこの手はマズかったかなぁ…でも、正面突破は厳しいからなぁ…。
禍根まる出しの根回しだが、緊急時にて致し方なし。
あとは動きを待つだけだ。
最初のコメントを投稿しよう!