平穏迷走の異能交渉士(予定)

ＨＩＧＡＭＩオンライン

リーヴルは心理戦を活かすための情報収集能力や、その基盤となる部下の統率力にも長ける。

人間の反乱を警戒した彼は、部下に命じてネットを中心とした情報経路の搾取や遮断にも余念がなかった。

ＨＩＧＡＭＩオンラインは、そんな情報統制の中珍しく生き残っている愚痴魔のサイトである。

管理人は鳳唐玖(おおとりとうく)。

千手策誠架の前の地上での肉体であるヌシの巫女の孫である。

ヌシは普段は加護のための神気を町にもたらしたり部下に地上でのかりそめの活動などを促して町を保護するが…稀に自らが資質の高い人間に融合し、地上に直接干渉する力を持つ…これを『降臨』といい資質を持つ者を男性なら神子、女性なら巫女と呼ぶ。

ちなみに萌花先輩が繚先輩に監視されているのは、彼女が懇堅祈塞の巫女だから。

今回みたくいろいろあってもしかしたら何かあるかもしれないと動きを見張っているのだ…今は失敗のトラウマを恐れてまだ動いてないようだけどいざとなったら彼女の身体を使って動くんだろうな。

ＨＩＧＡＭＩオンラインはいまだ全国規模で各地に支部を持ち、雅哉は甜瓜替市の支部長だ…まぁ、支部長といってもメンバーは彼しかいないんだが。

管理人繋がりで神の加護とリーヴルに抵抗するヌシ同士の同盟の根回しを千手策誠架から直に命令された…この同盟が万神同盟だ。

祈塞を動かそうとしたのは単に雅哉が甜瓜替市出身で、地元でいろいろ詳しそうだったと考えたから…メジロと友の会さんも万神同盟のために身体を張って彼の地元の神との交渉に突撃したはずである。

一人で千人分の仕事をすると自ら豪語する千手策誠架は、本当に強引極まりない。

だが、法と秩序を重んじながら統治の効率を上げるために人間の感情にも通じるアクティブなヌシだ。

リーヴルに目をつけられてさえ結果はどうあれ出し抜くことを考えるように鍛えた手腕は、賞賛に値する。