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そこでたまたま入ったバーで、優斗を見かけた。顔が小っちゃくて、チワワみたいな童顔。それがくたびれながら酒飲んでるわけなんで、これは声掛けなくっちゃと。
「お菓子の店やるんだけど。北海道で。」
あやしー!新手の詐欺師か宗教団体。悪ければ誘拐。驚くことに、彼はその話に乗った。もうあんなの(俺みたいなの)にへこへこついてっちゃダメだからね。ホントに。
これからもずっと一緒にいれるのかな?
なんて優斗は本気で訊いてくるから、「なんとかなるよ」って返す。
きっと、優斗が優しいから、彼の周りには優しいひとたちが集まるんだなって思った。
優斗、大丈夫だよ。きっと二人ならなんとかなるさ。もう俺ら、一人じゃないからね!
布団の中で、そんな思いを込めて、手を握った。
END
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