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「いくら見た目よし、職業よしだって、他の男とも遊び放題なのはアウトよ」
ママが焼酎をつぎながら言った。
そうなのだ。問題はそこだ。
彼は僕と付き合っているにもかかわらず、しょっちゅう他の男と遊んでいる。
彼と付き合った最初の頃、ママに恋人報告をしたら、苦い顔をして。
「あいつ……かなり遊んでるわよ」
そういったけど、その時の僕はそんなの全く気にならなかった。だって、自信があったから。
彼は僕を必要としていて、僕も彼を必要としていて、完璧にパズルのピースがあったみたいに僕たちはひかれあってるって自信があったから。
でも、その自信は1年で見事に砕け散った。
彼が他の若い男と遊ぶ様子を僕のゲイ仲間が何人も見てるし、彼の家に行ってセックスした後、一個しか使ってないはずのコンドームの空が余計にもう一個ベッド脇に転がっていた時には、思わず息が止まった。
そこで僕は反撃に出た。彼がバンバン遊ぶんだったら、僕もバンバン遊んでやろうって。
それはある意味抵抗だったし、「こっちを見て」っていうアピールでもあった。
週末はゲイバーに出かけて、いい男をひっかけて遊ぶ。
彼からの電話に出た時、他の男とセックスしてる最中の時もあった。
でも、そんな関係はやめときなさいって、何人から言われたか。
「長続きしないわよ」
「終わるとき悲惨な思いするから」
「いい男の基準考え直して」
……全部。全部まともなアドバイスです。
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