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「ゆうちゃんさ、まじそういうのはやめた方がいいって」
「そうよ。いくら相手が医者だからって、ゆうちゃんだったら他にもいい人いっぱいいるじゃなーい」
僕はハイボールの入ったグラスをテーブルに勢いよくドンと置いた。
「そういうあんたらはどうなのさ?」
「話逸らしちゃダメ!今日はゆうちゃんの作戦会議なんだから」
この人達は、僕が週末に通い詰めているゲイバーのママとチーママ。
20歳の時に初めて入った店がたまたまここで、この2人はずっとこの店でいいタッグとして働いてる。
まぁ、ちょっとお節介なのがたまに傷だけど……。
でも、言われてることは間違ってないのが痛いんだよねー。
僕は、MRという仕事をやっている。
医者が処方する薬や、薬局に置く薬を売り込む仕事。
僕が勤めている会社は外資系。
だから給料がいい分、5年間しか契約期間がない。この意味わかるかな?
つまり何か特別なことがなければ、27歳までしか外資系のMRとしては働けないってこと。
残酷な世界だよね。アドバンテージが全て。
でも、その代わりすごく給料はいい。
外資系だから、普通の薬剤師の倍は稼げる。
僕はゲイで、MRとして仕事で行った先の医者と、今付き合っている。
彼は見た目良し、職業よし。
そして地域の一番大きな病院の息子。
もちろん、次に病院を継ぐのは彼。
だけどそんな一見完璧そうに見える彼でも、実は落とし穴があって……。
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