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幸いなことに、ミサはすぐに見つかった。
クスノキの下で、見知らぬ老婆が、ミサを抱いてあやしていたのだ。
ミサは、老婆の腕の中で、幸せそうに眠っていた。
朔也は安心して、チカラが抜けた。ついでに、腰まで抜けそうだった。
池に戻って、純恋にミサを見せた。
「ああ、よかった。ほっとしたよお」
彼女は、濡れた髪をかきあげて、えくぼを作ってニッコリ笑った。
――彼女は天使なのかもしれないと、本気で思った。
「ありがとう。今度なんか、お礼させて」
胸がドキドキしてしまって、そう言うのが、せいいっぱいだった。
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