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<罪と罰>
今、俺が父に対して「ごめんなさい」としか言えない理由を考える。
父の最後の一年を、反抗ばかりして台無しにしてしまったことへの謝罪の気持ち。
何でも隠さずに話し合えるはずの「親」に対してすら、
同性しか愛せない事実を隠し続け、「嘘」をついてきたことへの謝罪の気持ち。
それらの気持ちが、俺の口から「ありがとう」という音を発せなくしている、のかもしれない。
そしてこれらの罪は、「嘘の自分」のまま墓場へ葬られる、という罰を俺に与えるのであろう。
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