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「明日…暇ですか?」
古井は捨て犬みたいな瞳で私を見つめていた。
「明日?夕方までならあいてるよ?」
「どっか行きませんか?」
「いいけど…彼女さんといなくていいの?休み少ないんだからさ…」
この当時、私が勤務していた店は慢性的に人手が足りず、古井はなかなか休みが取れずにいたのだ。と言っても勤務終了後に彼女の家に迎えに行き、翌朝彼女は古井の家から自分の店に出勤していたから、毎日逢ってはいたのだが…。ちなみに彼女は同じ飲食店の別店舗で働いていた。
「あいつと出掛けても…前に彼氏と来たとか、ケチばかり付けるから…」
「わかった。いいよ。明日、11時にここの駐車場で待ち合わせ!遅れたら帰るからね?」
本来、私は従業員同士と遊ぶことはしない人である。この時は…ただの気まぐれ…もしくは…私自身プライベートで疲れていたせいかもしれない。
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