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『私さぁ、ジェットコースター好きじゃん? だから遊園地行って乗りまくろうと思ったのよ。そしたら遊園地閉店休業よ。そりゃそうよね、従業員誰もいないんだから。でね、仕方ないから美味しいもの食べまくろうと思ってレストラン行ったの』
「そこもやってなかったんでしょ?」
「そうなの〜! でも冷蔵庫にお肉入ってたから、勝手にステーキ焼いて食べてきた。アハハハハ〜」
友人の繭子が明るく電話をしてきた。こんな時でも楽しめる凄い特技の持ち主だ。みんなこうならいいのに。
私の彼氏裕也は真っ暗なドツボにはまったきり出て来ない。
「地球は滅びるんだ……。もう終わりだ……。絶望的だ……」
ブツブツ呟きながら部屋に閉じこもっている。最後くらい楽しくにぎやかに過ごしたかったのに。こんなヤツだとは思わなかった。もういらない。勝手に1人で滅びるがいい。
「ねえ繭子、カラオケでも行かない? 歌いたい放題だよ、きっと」
『いいね〜、行こう!』
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