21人が本棚に入れています
本棚に追加
火星移住計画とか、月へのエレベーターとか。人類は宇宙への夢を抱き続けてきた。しかしそれは夢と消えた。
1週間前に各国トップが国民に向けて驚愕の発表をした。
「1週間後、地球に巨大彗星が衝突します。避けることは不可能です。最後の1週間、地球を満喫して下さい。それではさようなら。良い終末をーー」
突然の発表に世界中の人間は凍りついた。とても信じられなかった。しかし天体図には乗っていない未知の星が尾を引いて次第に大きくなって近付いて来ているのを見た時、それが真実であると思い知った。
人々の生活は一変した。もう誰も仕事へは行かなくなった。残された時間を有意義に使いたい、誰もがそう思い、行動に移した。
そして今日が1週間目、地球最後の日だ。昼間の明るい空にも肉眼で彗星が見えるようになった。あれがあと数時間後には地球と衝突するのだ。何とも不思議な感覚である。
最初のコメントを投稿しよう!