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「ん……っ」
空気を求めて唇を離すと、さきほど出した白濁を掬われた。
「この家には香油を持ってきてるんだけど。折角出してくれたんだから、使わないとね」
カッと顔が熱くなる。セラだけ達してしまったのが、恥ずかしい。さっきから、テオのペースなのが少し悔しい。
濡れた指が後孔に侵入する。すぐに性器の裏側にある膨らみを見つけられてしまった。優しく撫でられると、腰が浮いてしまいそうになるほど気持ちがいいのだ。
「ここ、好きだよね。今日から、好きなだけ弄ってあげられる……」
「あっ、テオ。やだ、そこ撫でられたら、また前が大きくなっちゃう」
テオの背に腕を廻し弱音を吐くと、今日はさわられなかった胸の尖りを口に含まれた。
「いいよ、イッて。前もさわってあげる」
「あ、あ……っ」
果実のように熟れきった胸先、後孔の感じる場所、それに性器を同時に攻められ、快楽のあまり瞳が潤んでくる。
頭の中は、どこからの快感なのかもう判別が付かなくなっている。どこかに飛んで行きそうになるほど気持ちがいい。
次第に、階段を上っていくように、気持ちよさの波が訪れた。押し上げられるような感覚に戸惑う。
「やだ、おかしくなる。ぃや、あ、あぁ……ッ!」
目の前が白く弾け飛んだとき、性器から透明な水があふれ出した。
「あ。やだ、漏らした……?」
意識せずに、こんなところを弛緩させてしまうなんて失態だと落ち込んでいると、テオがシーツに浸みこんだ水をじっと見つめた。
「漏らしたんじゃないよ。これは潮。気持ちよすぎると、男でも潮を噴くってきいたことある」
「潮? おしっこじゃないの?」
我慢しきれない感覚などは一緒だったのに、シーツをさわってみるとサラサラとしていて、匂いもなくぬるま湯のようだった。
「潮を噴くのは、よほどの快感を得たときだけらしい。セラがそんなに感じてくれるなんて、すごく嬉しい……」
ギュッと抱きしめられると、くすぐったいけれど嬉しかった。
シーツを素早く取り替えると、テオがあぐらをかいて座った。
「テオ?」
「今日はいつもと違うことをしよう。僕をまたいで座ってくれる?」
「え。だって……」
セラは言葉を詰まらせ、ためらった。テオの脚のあいだには、育ちきった性器が悠然と勃ちあがっているのだ。
「もしかして、自分で挿れるの!?」
「体重を掛けてね。大丈夫。後ろは慣らしたし、僕も手伝うから」
おそるおそる、テオをまたいで向かい合わせになる。腰を下ろしてゆくのが少し怖い。
テオが香油を差し出してくれる。水かきが張った人差し指と中指で掬って、自分が受け入れる場所を拡げた。
「ふぅぅ……」
息を吐きながら、猛りきったものが入ってくるのを感じる。
「ゆっくり、焦らなくていいから」
「うぁん……っ」
そうは言うが、雁首の張り出したところに前立腺をこすられ、変な声が出てしまう。孔のまわりから、じわじわとテオに浸食されていく気がする。――気を遣りそうになる。
「なんか来る、段々奥に来てる……っ」
ハ、ハッと息が上がってくる。いつもと違う格好でテオを受け止めるだけで、こんなに体が反応するなんて。
「セラの中、溶かされそうに熱いね。蠢いてる……」
まだ途中だというのに、テオが腰を揺さぶりはじめた。体の重みにより、最奥まで楔が打ち付けられる。
「ぁあんっ!」
眼前に銀色の星が飛んでいる。軽く達したのか、性器からピュッと蕩けた体液が飛び出た。
「セラ、すごくいい……」
「あ、ぁあっ、奥、おくにあたってる。もうだめ、お腹苦しい……っ!」
がくがくと膝が震える。これほど奥まで、性器を飲み込んだことがない。腰と下腹から、正気を保てないほどの愉悦が湧いてしまう。
ぎゅっと背中にしがみつくと、そのまま体重を掛けられ寝台に押し倒された。
「奥に行くほどうねってて、僕もおかしくなりそうだ。もっときみの奥が知りたい。セラ、僕に教えて……!」
「テオ、あぁっ。行き止まりまで来て。もっと突いて……っ」
それから、うわごとのように気持ちいい、と叫んだ。人間の言葉じゃなかったのかもしれない。
愛しい男の昂ぶりが押しつけられる。今まで感じたことがないほど腹の奥に、熱がまき散らされた。
気付けばもう朝で、肩に沢山噛み痕を付けたテオに、頭を撫でられていた。
「昨日は無理させてごめん」と言われたけれど、セラの秘所は甘い疼きで一杯になり、新婚夫婦らしく朝からいそしんでしまったことは言うまでもない。
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