2章 Drop.1

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2章 Drop.1

「あはは、藍介……キスしただけなのにもうそんなに蕩けてるの?」 藍介と類は梅雨で客が来ないのをいい事に、自宅兼珈琲店であるこの場所の2階の居住スペースにある寝室で絶賛セックス中である。言わずもがな、藍介が寝台へ横になり、類は上だ。ご丁寧に店の看板には、「勝手ながら1時間ほど開店が遅れます」という貼り紙をしてあるが、鍵は……かけていない。 「だっ、て……る、い……のキス、濃く……って長……っハァハァ……っ」 「ん、かわいい。さっきの相合傘、俺はびっくりしたんだよ?なかなか理性煽るのが上手だよね、藍介」 類は耳で囁きながら片手は胸の飾りを、もう片手はお尻の蕾へ指を1本入れて解すように動かし、早々に2本目の指を挿入し絡みつく肉壁を掻き分けながら藍介の悦い所を探り始めた。 「あっ、…まっ、て……や、だそこ……はっ!」 「ん、藍介って呼ぶと中が締まるね。名前呼ばれるのそんなに好き?あ い す け」 胸の飾りはぷっくりと赤く主張し、お尻の蕾からはジュクジュプ……と水音響かせトロリとローション代わりになるほど濡れていた。 「そ、んな……違っ……ひっあ……あっ」 「もうトロトロ……ココ、悦いところ……かな?」 ゆるゆると広がってきた蕾は容易く3本もの指を深く飲み込み、これまでとは違う感覚の奥にあるその場所を指腹でグッと押すように幾度も撫で、藍介の様子を伺った。 「あっあ……そこ、あっ……いっ、イク……もっ……っ!」 探り見つけ、撫でて刺激し続けたソコは藍介の気持ちいい場所であり、我慢効かず足腰をガクガクと震わせ、腰を浮かせ欲棒の先端からビュルッ……と白い欲を盛大に撒き散らした。 「あーあ、弱いところ弄られただけでイッちゃったんだ、藍介。でも、まだくたばらないでよ」 「俺の中……奥まで甘えたいって、言ってる。類ので……トロトロ、に甘くし、て」 そう言う藍介を見て類は、藍介の片脚を自分の肩へ乗せ、「早く藍介の中を味わいたい」という一心から腫れ上がるほど太く立派に反り立つ逸物を熟れた蕾へあてがい数回擦り付けた。 「まっ、そんな……おおき、の……むっ、りぃ……っ!」 「大丈夫っ……これくらい受け入れられるほど藍介のココ、ゆるゆるになった、から……いく、よっ!!」 怯えるように接合部を見つめる藍介に余裕はないが微笑みを向け、お尻を両手で抑え固定すれば擦り付けていた逸物を言葉言い切ると同時に勢いよく尻肉をぶつけ藍介の中へと押し挿れた。そして、挿れた瞬間に中がキュウッと誘うように強く締め付けてきた。 「あっ!……んん、っうあ……」 「藍、介……締め、過ぎ……っ軽くイッ……た?動くよっ」 早々に感じた強い締め付けで一瞬射精感がジワッと押し上げてきたところを我慢して耐え前後に律動をはじめた。藍介は類の欲棒が挿入されただけで軽くイキ、先端から僅かに白い欲を漏らし、掘り進む類の逸物を捉え肉壁を纏わせては欲しがるようにいじらしく締め付け、「気持ちいい」という快感と類を思う愛おしさ相まって恍惚な表情で善がった。 「知らな……っ、から、だ……勝手、にっ」 「は、……っ、ココ、だっけ?悦いところ……っ!」 肉壁が波打ち締め付ける中を広げるように律動繰り返す中、一度先端付近まで抜くと類は舌を舐めずり、再び大きく腰を突き落とし藍介の悦いところを擦り幾度も刺激を与えた。 「やめ…っさ……あっ、そこ、ばかり……ああっ、ダメダメ……っお、かしくなるっ、さっさ……とイケ、よっ」 小刻みに律動を繰り返し悦いところばかりを執拗に攻め立てれば、快楽に弱く忠実な藍介の身体は類の愛を全て受け入れる様に、感じるままに悶えグズグズな表情で軽く睨みをきかせ見つめた。 「もっとおかしく、なろう……か。またイキそ……だね、藍介のおちんちちん、おっき、い」 そう言いながら、藍介の欲棒を眺め有り様を実況すると特に触れることはせず、自身の射精感も込み上げてきたところでラストスパートをかけるため、これまでにない程に激しく腰を打ち付けた。 「やっ、め……あっああ、な、んか……へんっ……まっ、……止まっ……!」 「っ、……もう、イクよ……ちゃ、んと飲み込んで──っ!!」 「る、いっ…る…ああっ、あぁ──っ!!」 類は藍介の中の奥へドクドクと白濁を味を教え込むように、そして自分の匂いを刷り込ませるように溢れる限り沢山注いだ。それと同時に、藍介は欲棒へ触れられてもいないのに身を揺るがす勢いで何かが迸り押し出されるような感覚で白い欲をもらした。 お互いに絶頂を迎えると類は藍介を覆うように身体を持っていき抱きしめた。 「ハァハァ……藍介すごい、今のトコロテンって言うんだよ。俺が藍介のおちんちん触れなくても出た……っだろ?」 「ん……っ、は、あ……で、たっ」 「すごく、可愛かった。激しいの、好き?……善がり方がエロくて、もう藍介の全部にヤられた」 愛おしそうに見つめながら最後に唇へ触れるだけの口付けをすると離れ、隣へ横になり合わさる手を指と指絡め合わせ繋いだ。 「激しいの……好きだよ。でも、類だから……かな。類の唇や身体しか知らない、きっとこれからも」 「それでいいよ、ほかの男の匂いさせてたら怒る、お仕置きだよ」 「それは……同じセリフそのまま類に返すよ。でも、信じてるからな」 暫く2人は余韻に浸りながら寝台の上で緩く身体を絡めながら甘い時間も過ごした。 そして、この日のお店は──貼り紙を「都合により臨時休業」というものに張り替え、緩やかに流れる時間を密接に過ごした。 そんな2人を見ていたのか、振り続いていた雨はあがり、窓から見える向こうの空に、キャッキャッうふふ、と気持ちに寄り添うように大きな虹がかかっていた。
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