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episode.5
手の自由が効かない中、八重斗にジワジワと詰め寄られ、後ろにあるベッドにドサッと身体が落ちる。そのまま身体をベッドに預け、顔の横に八重斗の手が降りてくる。八重斗がベッドへ上がると僅かに軋む音が室内に響く。可愛らしい顔がすぐ近くにあり、息遣いも分かってしまいそうだ。
「意味って、それは……」
「いお兄がしてた行為って普通なの?弟の名前呼んだり、写真みてヤるなんてこと……」
八重斗の事だから、ただ言葉を交わすだけで終わるはずがないと予想はしていた。
言葉を紡ぎながら、脱ぎかけだった服に手をかけ始める。緩んだネクタイが解かれ身体の横へ、僅かにタバコの香りが纏うワイシャツもボタンをひとつずつ外されていく。
「お兄ちゃんはな、八重斗の事が好き……なんだよ。ずっと前から。でも八重斗は大切な弟だか……」
「世間の目が痛い?……好きって気持ちが負けるはずない!」
「それでも……」
苦しく重たい声が交わり、ワイシャツのボタンも全て外されると肩からするりと下ろし脱がされていく。露になった素肌に部屋の冷たい空気が当たり小さく身震いをする。
「ダメ、なの?ボクの今のこの気持ち、いお兄と一緒なんでしょ?」
寂しそうな表情をしながら問いかけてきたと思えば、片手は鎖骨から胸元へと線を描くように這いだす。
「あっ、ん……っい、一緒だよ」
「コレが、恋……なんでしょ?」
「そうだよ。好きで好きでたまらない……っていう、苦しくて愛おしい」
這う手は腹筋をなぞるように下へと進む。一織は擽ったくて身体を捩る。ふと視線を向けると、小さな手が身体をなぞるよう動かしている様子はとてもいやらしく、何かがグッと心に押し寄せてくる。
「ボクも苦しいよ、いお兄。でも同じくらい……いお兄を独占したいんだ」
この小さい手が、この小さい身体が……八重斗が欲しくて堪らない。そういう欲望が再び湧き上がってくる。
迸る欲望と、上半身を存分に堪能する八重斗の手が重なり、興奮が増していく。
八重斗の手がズボンへと差し掛かり、ベルトも外されていく。脱がされるのだと分かった瞬間、無駄だろうと分かっていても反射的に両足をキツく閉じてしまう。
「八重斗……」
「どうしたの、いお兄。今日は抵抗するの?」
「今……っ、大事な話……してる、だろう?」
八重斗は口角を上げて満面の笑みを浮かべる。
「あのね、身体にボクの愛を擦り込んだ方が早いってわかったよ」
「ちょっ、待って、まっ……」
「待たない!!さっき指で撫でていたらいお兄の身体反応してたよ。焦らしてごめんね」
「それは、違っ……!」
「ねぇ、いお兄。まず、何しよっか」
八重斗は並べられている玩具の数々に目を向ける。
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