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「お母さん達には仕事順調って話してたけど、どう? お母さん達に心配かけたくなくて無理してない?」
部屋に入るなり、姉は眉を潜めながら聞いて来た。
「大丈夫だよ。会社の人達優しい人ばかりで! 特に俺の直属の上司である真島主任はかなり良くしてくれる」
「そっか。入社してすぐ電話で言ってた主任? 美人で世話焼きな10個上の」
「う、うん! そう」
また俺の説明が拙いばっかりに真島主任が女性だと思われてる!
男性だって訂正しよう、姉ちゃんには。
「るぅくんの好きな人なんでしょ?」
「へ?」
「分かるよー! 主任さんの話する時の声色で。今だって顔赤いよ?」
「そ、そう……好きな人」
訂正……出来なくなっちゃった。
「そっかぁ。お姉ちゃんは応援するよ!」
「10歳上だし、上司だよ?」
「だって好きなんでしょ? だったら仕方ないじゃん! それに、私はるぅくんの味方だから。上手く行くよう全力でサポートするし!」
「あ、ありがとう! 俺、頑張ってみる」
「うん、頑張れ!」
相手は男性と言う勇気は出ないけど……10歳上である事も上司である事も姉ちゃんからしたら気にするポイントじゃないんだなぁ。
好きなんだから仕方ない……か。
「早く会いたくなっちゃったな」
「連絡してみたら?」
「プライベートの連絡先知らなくって」
「じゃあ、ゴールデンウィーク明けたら即聞かないと!」
「へ?」
「かなりモテる人なんでしょ? 距離縮めるにはプライベートにも踏み込めるようにしないと!」
「が、頑張ってみるよ」
そうだよね、ゴールデンウィーク中に真島主任に話したい事たくさんあったのに伝えられないもんね、連絡先分からないと。
真島主任とは終業後ご飯行く事も多々あるし。
けど、個人用携帯に関してはどうだろ?
休みの日まで連絡したらうざいから教えたくないとか言われたら!?
けど、ライバルは山程いるし!
それに、やっぱり真島主任に近付きたい。
ゴールデンウィークが明けたら俺は本気出すんだ!
断られたらその時はその時!
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