第2話 可愛すぎる子犬が我が社にやってきた。ー真島side

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真島響、32歳。 今日から我が社に10も下の男の子が俺の部下として入社してきた。 まさか、まさか……俺が助けたあの就活生の男の子が俺の部下になるなんて! 倒れたあの子を助けた日の夜、俺はあの子ともう出会わないかもしれないというのに会社近くの神社まで行き、就活の成功を祈るほどずっと気にかけていた。 そうか、無事俺の思いが届いて就活上手く行ったんだな。しかも、俺のいる部署に。 神様からの贈り物としか思えない。 そんな彼、手嶋くんは俺の隣の席で落ち着かない様子でいた。 「これが手嶋くんの使うパソコン。2画面のが仕事しやすいからモニターが2つある。手嶋くんが使うデスクはこっち。中に入ってる文房具は自由に使って良いから。一応必要そうな文房具は一通り入れたけど足りない物があれば備品棚に。後で案内するな」 「あ、ありがとうございます」 「とりあえずパソコン起動してセッティングだけ完了させようか。社内システムのログインとメールが使えるかどうか」 「は、はい!」 今日は入社初日だし、パソコンの使い方を一通り教えて、会社内案内して、電話の使い方教えて、他の時間は簡単な事務作業をして貰うか。 にしても、就活生の時からそうだけど、ずっと緊張した顔してぷるぷる震えてるな。子犬みたいだ。 「大丈夫?」 「えっ? あっ、はい!」 「そんな緊張しなくても良いよ? うちのグループはゆるい方だし、優しい人ばかりだから。リラックス、リラックス」 「はいぃ」 今の若い子はかなり繊細だって聞くし、辞めたくなったりしたら嫌だから彼が快適に過ごせるように尽力しないとな。 「そうだ、お昼ご飯は持って来た?」 「い、いえ」 「じゃあ、昼休みは俺と一緒にご飯行かないか? 美味いイタリアンレストランがあるんだ」 「真島主任と二人でですか?」 「うん。仲良くなりたいし」 「行きます……」 上司に誘われたからって理由で無理に付き合ってたらどうしよう。けど、まずは仲良くならないとだよな。OJTを始めるからには!
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