第2話 可愛すぎる子犬が我が社にやってきた。ー真島side

5/12
前へ
/133ページ
次へ
でも、実際髪の毛ふわふわしてるし、触りたいと思ってしまう。毛がふわっふわな犬見た時みたいな感情? だめだぞ、真島! その思考はセクハラ! 「あの……真島主任。真島主任がこの髪型好きだって仰るのなら髪切るのやめます」 「へ?」 「こ、この髪型でずっといます」 手嶋くんは照れながら突然言った。 何だ、この子……。 やば、またキュンとしてしまった。 「とりあえず、この書類クリップ留めお願い出来るか? さっき言った順番で」 席に戻ると、早速手嶋くんへ事務作業をお願いしてみた。 「は、はい。中国語がたくさん書かれていますね」 「ああ、中国語からの輸入案件の書類だからな」 「真島主任は全文理解出来るんですか?」 「まあな」 「あ、あの……俺、就職前に英語しか勉強してなくて」 「大丈夫、大丈夫。英語分かれば充分だから」 「で、でも……」 やばい、変なプレッシャー与えてしまった! 「あはは、手嶋くん。心配しなくても大丈夫。英語以外に中国語、ドイツ語が分かるのは真島だけだから」 不安な表情を浮かべる手嶋くんに課長がフォローしてくれた。 「えっ? 真島主任、ドイツ語も出来るんですか?」 「ああ。独学で勉強した」 「か、かっこいいです! すごいです!」 「ありがとう」 すごくキラキラした目で見られる! 「真島主任みたいな立派な営業マンになれるよう、俺も頑張りま……わっ! すみません、書類ぶちまけてしまいました! ごめんなさい、ごめんなさいっ」 「大丈夫、大丈夫だからな?」 なんだか落ち着きの無い子だな。 けど、この子の立派な営業マンになりたいって気持ちに応えて俺も全力でこの子を育てていかないとな。 就活生の時からずっと頑張り屋ではあるみたいだし。
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

174人が本棚に入れています
本棚に追加