第3話 会いたいです、主任!ー手嶋side

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社会人になってから初めてのゴールデンウィークがやって来た。 大学生の時はやたらワクワクしたというのに今は全然ワクワクしない、寧ろ邪魔、要らない。 だって、1年の内に真島主任に会える日が減るなんて辛すぎる、寂しすぎるし。 「あーあ、けど連絡出来ないし!」 あいにく真島主任の連絡先は会社用の携帯しか知らない。個人的に聞けば良かったなぁ。 けど、何の為にってなるかな。 こんなに誰かを好きになったのは人生初めてで、こんなに会いたいって思うのも人生初めてである。 ゴールデンウィーク初日の今日は大学の友達と飲み会。明日から最終日まではずっと実家にいる予定。 実家で暫く真島主任に借りた営業の本読んでようかな。あと勧められた海外ドラマや映画観たり! 連休明けに仲良くなる為の話題作りにちょうど良い! 「でもやっぱり長いよ、無駄に!」 ずっと会いたいと思ってた人が俺の上司で毎日たくさん優しくしてくれて、時々ご飯にも連れてってくれる。 天国のような日々だったなぁ。仕事自体は慣れないから大変だけど。 ゴールデンウィーク、早送りしたい! なんか、片想いソングばっかり聴いちゃうし、手嶋がおかしくなる前にっ!! 「へぇ? そんなに優しくて美形な上司がいるんだ? 羨ましいー!」 夕方になると、大学の友人達と馴染みの居酒屋で飲み会へ。真島主任の話をつい友人達にもしてしまった。 「うん。よくアイスやお菓子買ってくれる」 「マジか! おっぱいある?」 「へ? ああ、あるんじゃないかな」 真島主任ジム行ってるから胸板厚い方かと! 「ちょっと男子最低!」 「だって手嶋の話だけ聞いたらさ、美人で世話焼きで色っぽいって言うじゃん? 胸気になるわ!」 ん? なんか真島主任を女性と間違えられてる? 「て、手嶋くんは……さっきからその人の話ばかりだね。好きなの?」 隣の席に座っていた女友達から聞かれる。 「うん、大好きだよー!」 「そ、そうなんだ……」 「相原さんのとこは? 良いなって人いる?」 「わ、私の会社はおじさん多いから……」 「そっかぁ」 「手嶋くんとこは大きな会社だし、出会いたくさんありそうだね?」 「まぁ、社内恋愛はよくある会社みたいだね」 まぁ、俺の恋はかなり無謀な気がするけど。 男同士、上司と部下、10歳差。 弊害多いなぁ。
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