第3話 会いたいです、主任!ー手嶋side

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「手嶋、あんま飲まないな? 今日は」 「俺、すぐ酔っちゃうから自重してるんだー!」 会社の飲み会で結構酔って真島主任にタクシー乗せてもらっちゃったもんなぁ、この間。だから、反省中! それに、隣の席の相原さんが結構飲んでて心配。 相原さんは大学時代よく講義が一緒になり、女子の中でも結構仲良い方な子だ。他の子達に比べたら大人しいし、控えめな雰囲気の子だけど俺とは話しやすいとよく話をしていた。 他のみんなが結構酔ってるから俺がしっかりしていないと。 「相原さん、大丈夫? 結構飲んでるね」 「け、結構酔っちゃった……」 「もう! リサ弱いのに飲み過ぎー!」 「えへへー」 「すみません、お水頂けますかー?」 俺は店員さんに水を頼む。 「手嶋くん、ありがとうー!」 「いえいえ。あ、お薬あるから渡すね。俺もお酒弱いからさ」 「用意良いんだね?」 「えっ? ああ、うん」 いや、真島主任に強引に渡されたんだけどね。 ゴールデンウィーク中に飲み会あるって話したらお酒弱いんだから持っとけって。 「手嶋、二次会カラオケ行くー?」 「えっ? ああ、うん。行きたい……かな!」 「手嶋くん、二次会行くんだ?」 「う、うん。相原さん大丈夫?」 「わ、私も行こうかな! お薬飲めばすぐ落ち着くだろうし」 「無理はしないでね?」 「あ、ありがとう! 大丈夫」 カラオケかぁ。 行くのは久しぶりだなぁ。 社会人になってからバタバタしていて、遊びに行ったりはしていなかったし。 友達皆とこうして一緒に過ごすのはすごく楽しい、大学生に戻ったみたいで。 だけど、ふとした瞬間に気になってしまう。 真島主任は今頃どうしているのかなって。 「手嶋、大学時代と選曲変わってね?」 「えっ? そうかな?」 二次会のカラオケで何曲か歌うと友人から選曲について指摘された。 「結構昔の曲ばっか歌ってるじゃん! 俺らがちっちゃい頃の」 「最近ハマってるんだよね」 「また10歳上の美人上司の影響ーっ!?」 「そ、そうだね!」 「どうした、手嶋ーっ! 毒されてるぞ!」 毒されてる!? 確かに最近趣味嗜好までもがアラサーというか真島主任寄りって感じだもんな、俺。 「はい、次は相原さん歌う?」 「う、うん。手嶋くんって本当に夢中なんだね、美人上司さんに」 「へ?」 なんだか不機嫌な顔してるな? 俺、なんかまずい事言ったりしてたかな?
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