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翌日、昼過ぎから実家に帰省をした。
一人暮らしを始めた3月以来実家には一度も帰ってなかった為、母からゴールデンウィークには絶対に帰って来いと言われていた。
昨日あまり飲まなかったから二日酔いもなくて良かった。ずっと相原さんに言われた事でもやもやしていた。
大学時代は結構仲良くしていた子だけど、変な期待持たせるわけにはいかないから暫くは会うのも連絡取るのも控えないと。家近いから会おうねってメッセージ貰ったけど。
それに、真島主任への片想いを否定されるのが嫌だったから。
相原さんは真島主任を皆同様女性だと思っているんだろうけど……。
俺が誰に恋しようと俺の勝手なんだから、口出しはしないで欲しいんだ。
「ただいまー!」
「るぅくん、おかえりなさーい!」
「きゃあああ! るぅくん!」
帰宅するなり、母と姉が笑顔で俺を迎えた。
「ね、姉ちゃんも帰ってたんだね」
「るぅくんが帰るって聞いたら帰るよー! 早く上がって! お昼まだでしょ? お母さんと二人でご飯作ったんだから」
「う、うん」
帰宅してすぐ嫌な予感しかしない。
「じゃじゃーん! るぅくんの大好きなものばっかり用意したよ!」
「あ、ありがとう……」
リビングに行くと、テーブルの上には大量の料理が置かれていた。誰かの誕生日会をこれから開くのかってくらい。
「結構作ったね?」
「お父さんもるぅくんも男だし、このくらい余裕でしょ?」
「流唯、すまない。寝坊して起きたらもう料理が出来ていて父さん二人を止められなかった」
父は申し訳なさそうに言った。
「止めるってなーに? お父さんっ」
「るぅくん嬉しい!?」
「う、うん! 嬉しいよ」
部活をやっていた頃だったら食べられたけど……今は運動たくさんしているわけではないし。
だから、嫌な予感がしたんだ!
作ってくれるのはありがたいけど!
テーブルの上には唐揚げ、ピザ、パスタ、ラザニア、コロッケが置かれていた。
ピザとパスタに関しては3種類もあるし!
「るぅくん、ケーキもあるからねー!」
「あ、ありがとう……母さん」
「毎日お母さんとお姉ちゃん頑張るからね!」
「いや、そんなに頑張らなくて良いよ?」
「るぅくん一人暮らしでろくな物食べれてないでしょ? 家にいる間は好きなものたくさん食べてね」
母はかなり上機嫌だ。
ゴールデンウィーク、やっぱり無駄に長いよ!
早く終わって欲しい……!
けど、早く帰ったら母さん達騒いで父さんに迷惑かけるよな。
あぁ、太ってしまう! 嫌ーっ!!
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