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「真島主任、おはようございますっ」
あれ、ゴールデンウィークまだあるはずなのに会社に居る……?
「手嶋……お前、見ない内に随分と丸々しくなったな」
「へ?」
「自己管理がちゃんと出来てないようじゃ営業マン失格だな。失望した。OJT辞めさせて貰うわ」
冷たい瞳で言い放つと、真島主任が俺から離れて行く。
「ま、待ってください! 真島主任……真島主任ーっ!」
「ほら、るぅくん! ご飯出来たわよ!」
「お姉ちゃん、ケーキ買ってきた!」
「えっ? 何で母さんと姉ちゃんが会社に……」
「毎日仕事頑張ってるるぅくんの為に差し入れ持ってきたの。ほら、たくさん食べて!」
「や、やめてぇ!!」
あれ?
どうやら悪夢を見ていたようだ。
真島主任出てくる夢見たいとは願ったけど、悪夢で良いなんて言ってない!!
「最悪……うっ、食べ過ぎて苦しいし! 実家帰るんじゃなかったー!」
暖かく迎えてくれるのは嬉しいし、ありがたいから強く言えないんだよね。
泣いてる母さん押し切って一人暮らし始めた手前。
結局、毎日母さんと姉ちゃんの豪華な料理を食べる地獄な日々を過ごす羽目になった。
ゴールデンウィークって楽しいものなんじゃなかったっけ?
「母さんと唯には何回も言い聞かせたんだが、聞かなくってなぁ」
「大丈夫だよ、父さん。ごめんね……」
「けどまぁ、流唯が帰って来て嬉しくて仕方ないんだよ。特に母さんは。俺と二人だと質素な料理になりがちだからな」
「もう食べ盛りの子供じゃないんだけど」
「親からしたら子供は永遠に子供だから。唯も、流唯も」
父は呆れつつも、いつもよりいきいきとしている母を見て嬉しそうだ。
父さんにそんな顔されたら作るのやめて、迷惑!!なんてはっきり言えないのに。
仕方ないな、我慢……しよう。
「るぅくん、明日帰るんだよね? その前に姉ちゃんとお部屋でお話しよ?」
「ちょっと、唯ばっかりズルイー! お母さんも混ぜて!」
「お母さんしょっちゅうるぅくんと喋ってるじゃん! だーめ。子供だけで話したい事もあるの」
「はいはい、仕方ないわね」
ゴールデンウィーク最終日の前日の夜、姉から呼び出され久しぶりに姉の部屋で二人で話す事に。
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