第3話 会いたいです、主任!ー手嶋side

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「そうだ、手嶋にもう一個お土産がある。これやる、姪っ子と中華街行った時に買ったやつ」 真島主任から突然、パンダの帽子を手渡された。 「パンダの帽子! ありがとうございます!」 俺は早速、パンダの帽子を被ってみる。 「きゃああ、手嶋くん何それ可愛い!」 「めっちゃ可愛いー!」 「えへへ、ありがとうございます!」 帽子を被ったとたん、女性社員さん達に囲まれ撮影されまくる。 「それどうしたのー?」 「真島主任に頂いて」 「真島主任ナイスー! 手嶋くん可愛すぎる!」 俺にだけ個人的にお土産貰っちゃった。 すごく嬉しい……。 「真島主任、真島主任っ! がおがおっ、襲っちゃうぞーっ!」 「はい、怖い怖い」 「棒読みやめてくださいよー! ほら、手嶋パンダだぞー! 主任食べちゃうぞー!」 「手嶋、もう9時過ぎた。仕事しろ。うざい」 「皆さんは俺を可愛いって言ってくれるのにぃ」 真島主任、塩対応だなぁ。 「手嶋くん、真島主任っ! 2人の2ショット撮らせてください!」 「はぁ? お前らなぁ。仕事を……」 「2人の2ショット撮ったら女性社員皆モチベーション上がります!」 「仕方ないな」 女性社員さん達にせがまれ、俺と真島主任は2ショットを撮る事に。 「真島主任、手嶋くん! もっと近付いて!」 「は、はい。この辺りかな」 「手嶋」 「何ですか?」 「ーー可愛いって思ってるよ。社内の誰よりも俺はお前の事を」 真島主任は小声で俺に突然言ってきた。 「えっ……」 「手嶋くーん? こっち向いてーっ?」 「っ……」 俺は真っ赤になってるであろう顔を隠す為に帽子を深く被り直す。 「手嶋くん! 顔隠したら見えないよ!」 だめだ、どうしよう、ドキドキが治らない! 真島主任は突然俺を困惑させる。 でも、やっぱり会ったら好きがどんどん増えて行く。諦めるなんて選択肢出てこないくらい。 俺は真島主任がたまらなく好き。 もっと近付きたいんだ。
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