第3話 会いたいです、主任!ー手嶋side

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「撮影会終わったな。ほら、手嶋も仕事仕事」 「あの、真島主任っ」 「ん?」 「真島主任に会えなくてずっと寂しかったので、久しぶりに会えて俺……すごく嬉しかったです!」 「犬耳と尻尾が見える……」 「真島主任?」 「あ、アホ。俺はせいせいしたわ。やかましいお前がいないとゆったり過ごせて」 「そ、そうですか……」 俺ってそんなにうざいのか、真島主任からしたら。 「そ、そんな顔するな。まぁ、少しだけ物足りなかったな、お前いねぇと」 「も、もうーっ!」 「ほら、請求書のセット……」 「あの、俺! 休みの日も真島主任と連絡取りたいです」 い、言っちゃった! 「は?」 「真島主任ともっと仲良くなりたいですし」 「お前に個人用携帯は教えられない、悪いな」 「そう……ですか」 真島主任からしたら俺はプライベートに踏み込ませたくない人間だったか。そうだよね。 沈んだ気持ちのまま、仕事に入ろうとした時だった。 『ID検索するから教えろ。連絡先を教えるの断った女の子が課長と話してるからさっきああ言うしか無かった。基本的に会社とプライベートできっちりと人間関係を分けてる人間だから個人携帯の連絡先は教えない主義って断っちゃったんだ、あの子には』 真島主任が付箋を俺の机に貼ってきた。 真島主任ーっ!! 『連絡先、俺には教えて良いんですか?』 早速付箋で俺は真島主任とやりとりを開始する。 『手嶋は特別。他の社員には内緒で』 何それ、何それ、ずるいんですけどっ! 『IDはrui0802です』 『了解。教えてくれてありがとうな』 どうしよう、叫び出したい気持ちを今抑えてる。 距離、ちょっと縮まってきているのかな? 手嶋は特別……手嶋は特別!! だめだ、仕事に集中しないと! けど、朝からキャパオーバーする出来事が続きすぎてる。 真島主任は本当にずるいんですよ、もうもう!! 真島主任から最初のメッセージが来たのは昼休み、俺がコンビニに一人でお弁当を買いに行ってる時だった。 『真島響です。改めてよろしく。気軽にメッセージ送って良いからな』 真島主任から初めてのメッセージ!!! 『手嶋です!連絡ありがとうございます!宜しくお願いします!たくさんかまってくださいねー!!主任主任主任主任(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾』 『そのふざけた顔文字やめろ』 手嶋流唯22才、今日も順調に片想い中。 ちょっとだけ大好きな人と距離が縮まって幸せ噛み締め中です!
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