第4話 俺が部下と恋なんて。ー真島side

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ウィルに手嶋をついつい重ねてしまう。 何だ、これ? あいつが来てから俺はおかしい。 こんなに誰かの事を気にかける事なんて今迄あったか? もっと親しくなりたいと思った事あったか? 「ウィル、良いから早く降り……」 「ウィル? 手嶋ですよ? 真島主任」 えっ!? 気づいたらウィルが手嶋になっていて、俺の上に馬乗りになっていた。 「な、何故手嶋がここに!? あれ? てか、ここどこ!? 実家にいたはず……」 「何仰ってるんですか? もしかして俺に抱かれるの怖くなりました? 大丈夫です、優しくしますから」 「はぁ!? な、何言って……てし……」 「今は流唯って呼んでください」 手嶋の顔がどんどん近くなってくる。 「何で俺が抱かれる側だよ!」 この一言を言って俺は夢から覚めた。 何だったんだ、あの夢は!! 部下とあんないやらしい事をする夢見るとか上司失格だろ、俺!! そもそも何で手嶋に迫られてたんだ!? 普通俺が抱く側……ってそれもおかしいから! 手嶋は男で可愛い部下で、ただそれだけ。 それだけのはずなのに何で夢から覚めたら虚無感があるんだろう? 幸せな夢から覚めた時の感覚だろ、これ!! 「響くん、おちゅかれの顔してる」 「ああ、ごめんな。愛衣、そのパンダのぬいぐるみが欲しいのか?」 「うん!」 「よし、買ってやるよ」 ゴールデンウィーク最終日は弟に頼まれ、5歳の姪と中華街観光をした。手嶋が出てくるやらしい夢を見てからずっともやもやした休暇を過ごしている。 俺、あいつにどんな感情抱いてるんだろう。 「響くん、これ被ってー!」 「ん? パンダの被り物? きょ、響くんは似合わないんじゃないかな」 「愛衣見たいー!」 「はいはい。こういうのはあいつのが似合いそうだな……ほら、被ったぞ」 「わあ、響くんかっこいいー!」 姪にパンダのぬいぐるみと一緒に手渡されたパンダの被り物もあいつに似合いそうだからという理由で買ってしまった。 ゴールデンウィークだというのにあんな夢は見るわ、ウィルにしつこくつきまとわれるわ、母親からやたら見合い薦められるわであまり休まれなかったな。 まあ、姪っ子の可愛い笑顔が見られたから良いか。 姪にはぬいぐるみしょっちゅう買ってあげちゃってるから帰ったら弟に何言われるか。 俺はウィルにも姪にも手嶋にも甘やかしすぎてしまう。 中でも手嶋には……特別な何かがある気がしてならない。出会ったあの日からずっと。
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