第1話 恋をした相手は上司!?ー手嶋side

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「一人で帰れそうか?」 「は、はい! あの、色々とありがとうございました」 「じゃあ、引き続き就職活動頑張れよ。これやるから」 帰り際、真島さんから俺はくまのキャラクターがプリントされた飴を貰った。 「パワーアップキャンディー?」 「ああ。気休めにしかならないかもしれないけど、パワーアップ出来そうな感じがするだろ?」 「あ、ありがとうございます!」 「じゃあな、また会えた時は宜しくな」 「は、はい!」 すごく優しくてかっこいい大人の男性だったな。 真島さんと別れると、俺は貰った飴を口に入れながら帰った。 オレンジ味でめちゃくちゃ美味しい。 この飴の袋、捨てずに取っておこう。 また、あの人に会いたい……な。 その前に一次面接が受かっているかどうかって感じだけど! さっきからずっと胸がドキドキしている。 これは就職活動に対する不安からではない。 一目惚れ……ってやつ? まさか! 相手男性だよ!? だけど、頭から優しく頭を撫でてくれたあの人の顔が離れなかった。 「もし、あの会社に受かったらまた会えるのかな」 出来る事ならもう一度あの人に会いたいな。 ずっとずっと焦って焦って苦しかった就職活動だったのにあの人の励ましのおかげで前よりも前向きに向き合う事が出来るようになった。 俺もあの人みたいなかっこよくて頼りになる立派な社会人になりたい。 「手嶋、今度S女の子達と合コンあるんだけど、お前も行かねぇ?」 「ノーサンキュー! 俺、就活に命かける事にしたから!」 「はぁ?」 「あ、二次面接のお知らせ来たぁ!」 1週間経つと、例の物流総合企業の二次面接のお知らせが来た。あんなグダグダだったのに一次面接受かったんだ!? 「良かったな」 「うん! また会えるかな……」 「ん? 何の話?」 「内緒だよー!」 二次面接が実質最終面接だし、頑張ろ! 大手で二次面接まで通ったのは初めてだし! 絶対に……内定取ってみせる!
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