マスクの下の

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皮膚科に通って2ヶ月。朝、ふと鏡を見た時に最近ニキビが気にならなくなった事に気がついた。 (変化がゆっくりだから分かりにくいんだよな……) そう思いながら学校へと向かう。すると突然、後ろから声をかけられた。 「三崎おはよう。朝に会うなんて珍しいね。」 パタパタとこちらに走ってきたのは紛れもない彼女。 少し早起きした自分にと、1位だった星座占いに心の中でガッツポーズをする。 「あれ、今日マスクしてないんだね。」 「…あ。」 どうやら考え事に夢中になりすぎて忘れてしまったようだ。 最近は隠すものもなくなったし、大丈夫だとは思うがなんだか妙に気恥しい。 「三崎。最近、キレイになった?」 「ハ、ハァ!?!?」 「ごめん。男子に言う事じゃ無かったね。」 彼女からの突拍子も無い発言に顔を真っ赤にすると、くすくすと可愛らしい笑い声が漏れた。思わず足を止めてしまい、彼女と少し距離が出来る。 何だか、今ならいけそうな気がした。 「……行った。」 「ん?」 「…皮膚科行った。ニキビヤバかったから…。お前が、治るって言ってたから。」 3歩、足を進め彼女に近づく。この距離まで来ても、もう今は自分のニキビの事なんて気にならなくなっていた。 「告白するのに、マスク付けてたらカッコ悪いだろ。」 どうやら俺は、ニキビの少なくなった肌に少し勇気を貰うことが出来たらしい。 ー皮膚科に通って2ヶ月。彼女と付き合うまであと2分。
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