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まだお茶をする時間くらいはありそうだった。
そのままアンドレを返してもよかったのだが、何故か僕は彼を誘って例の吹き抜けの鄙びた喫茶店に入った。
湖に面した窓側の席が空いていたのでアンドレを窓側に座らせ、僕は向かい側の座席に着き、二人ともインドネシアンコーヒーをオーダーした。
アンドレは自分で注文したにもかかわらず、コーヒーを口にした時、一瞬苦そうな表情をした。
それは、子供が初めてコーヒーを飲んだ時の反応に似ていた。
「ジュースか何かの方が良かったんじゃないの?」
僕がそう尋ねると、アンドレはそれを否定するかのように、入れたての熱いコーヒーを無理矢理ズルズルとすすり始めた。
そんな意固地な態度を見ると、僕の彼に対する想いは幾分か弾力を取り戻した。
昨夜の寒さのアピールもそうだったが、彼の中にはまだまだ子供っぽい性質が色濃く残っているのだろう。
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