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そう言えば、あの小僧はどことなく、おどけた雰囲気がタラに似ていたなぁ・・・。
そう思った時、ある一つの事実が僕を捉えた。
変化はあったのだ。
それまで、どうしてもイメージすることができなかったタラの顔を、僕ははっきりと瞼の裏側に思い描くことができるようになっていた。
小さくて他愛のないことかも知れなかった。
でも、その時の僕にはそれで充分だった。
沈みがちだった心が少し明るくなるのを覚え、僕はデッキの上を流れる湖の風を、胸の中へ目一杯吸い込んだ。
一九九七年 七月 スマトラ島(インドネシア)
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