悪魔に憑りつかれたお父さん

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 お父さんは暗いニュースばかりだと嘆き現実逃避だ!と言わんばかりにゲームの世界に入り浸り妄想ばかりするようになった。その気持ちは分からないでもないけど、僕は今時、珍しくゲームをしないから現実逃避して妄想に耽ることはない。だからファンタジー小説などに登場する悪魔の付け入る隙がないけど、お父さんはそれで言えば、隙まるけだ。  で、或る日、狭くて暗くて独りの世界に入りやすいと言うので、お父さんが物置小屋に籠って妄想に耽っていると、突然、俺はライオンだ!と叫んで暴れ出したので、お母さんはお父さんを物置小屋に閉じ込めるべくドアに鍵をかけた。  それに気づいたお父さんが生肉をくれ!生肉を食ったら満足して静まるから!と叫ぶので、お母さんは仕方なくお勝手に行って冷蔵庫に保存された生の牛肉を持って来てお父さんに与えた。
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