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「流れ星に願い事を3回言うと、願いが叶うんだよ」
誰しもが幼い頃一度は聞いたことがあり、そして一度は思ったことだろう。
『流れるまでに3回も唱えられないよ』と。
流れ星が見える時間はほとんど1秒以下だという。それでは1回唱えるのすら無理だ。
魔法のランプや七夕など、世界中で願いに関する童話や言い伝えはいくつもある。人間の潜在的な欲望のため、定番になりやすいのであろうか。
それらは必ずしも願いが叶うとは限らない。不幸になるオチも多いし、戒めのために使われもする。私自身、子供心にも架空の物語としてしか認識していなかったし、所詮作り話だと真面目に願ったことはない。流れ星もその類の一つなんじゃないかと私は思っていた。
『願いはそう簡単に叶えられないし、無条件で叶えてもらおうなどもってのほかだ』
そのために1秒で3回唱えろなどと無茶な神話が出来上がったのではないか。流れ星への願いも一種の戒めである。
しかしこの歳になって初めて、それは私が今まで本気で願いを叶えたいと思う気持ちがなかったせいだと思い知らされた。そしてそれを教えてくれたのは、私よりはるかに歳の離れた我が子だった……。
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