漁師になる

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 そして現在。私が自由になって調べ上げたことをいよいよ突きつける時だ。 「狩谷(かりや)さん」  私にとってはこれが切り札だった。  元父は覚悟を決めたように黙って聞いている。無表情で何を考えているのかは読み取れなかった。 「このまま漁師になってたら、一生知る機会はなかったかもしれないね。閉鎖的な社会だし、毎日毎日漁に出かけて、調べる暇なんてないからさ。ありがとう、大学に行かせてくれて。お前が父を殺した」
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