0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
次の日、高校に行くと、半分の生徒が消えていた。
皆、昨晩の流星群の後から行方不明だという。
秀は貴史に囁いた。
「これ、絶対おかしい。来週また流星群が見られるらしいから、行って確かめようぜ」
「やめといた方が良いんじゃ……」
「俺、見てたんだけどさ。あの時、口を開けて見上げてた人に白い光が入ってた。ってことは、口さえ開かなきゃ安全なんだよ」
「ほんとかなぁ」
半信半疑の貴史に、秀は強く頷いてみせた。
一週間後、流星群の夜。
貴史は秀と共に、また公園に来ていた。
前回より明らかに人の数が減っている。
貴史は秀と「絶対に口を開かない」と約束して流星群を見守った。
やはり、白い光がいくつも落ちてきた。
光は秀の元にも落ちてきて、口を必死で塞ぐ秀の耳に入っていく。
無言で悲鳴を押し殺す貴史に、秀は言った。
「チキュウハ、イイトコロダ」
そして、絶望する貴史をよそに、秀はそのままゆらゆらと歩き去った。
最初のコメントを投稿しよう!