つづく

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 僕は、星にふれたことがある。  彼女に会ったのは、僕が生まれるより前からある古い喫茶店でのことだった。彼女は、店の奥のアンティーク調のライトがついている席の下で小説を読んでいた。砂糖で煮たオレンジのような淡い光に包まれて物語を読みふけっている彼女は、どこか遠い異国から旅をしてきて、今は疲れた足を休ませている最中という雰囲気があった。  僕は、彼女が視界の端に映る席に腰を下ろした。すぐに店長がやってきて、お冷とお手拭きを置く。この店は彼一人で経営している。  「コーヒーをお願いします」  にこりと微笑んだ店長はキッチンへ姿を消した。  ノートパソコンを広げてしばらくすると、予めミルクの入ったコーヒーが運ばれてくる。このお店自慢のクッキーもいっしょだ。  僕は、ここの常連客だった。だから、店の奥にいる彼女が珍しい客だということがわかる。見ない顔だということはもちろんだが、店長がタバコを吸っていないことがその証拠だった。  ここへ来る客は大抵が喫煙者だ。そうでなくとも、元喫煙者である。そのため、タバコを愛してやまない店長はメニューを作っているとき以外は必ずといっていいほどタバコを吸っている。しかし今日は、煙をくゆらせる気配は一切なく、ゆったりとした瞬きを繰り返しながらカウンターに置いてある音のないテレビを見ていた。  僕がこの店を好んで利用しているのは、喫煙者だからという理由だけではない。こうしたマスターの気遣いが行き届いている店内が仕事をするのにありがたい環境だったからだ。ちなみに僕の職業は、小説家だ。  彼女の細く滑らかな指がごく薄い紙をめくる音がした。  タイピングの手をとめて、ちらと少女を見る。瞬間、信じられないものを見た。  ──ポロッ、コロ、コロ。  突起がいくつもついた大小様々な黄色い粒が彼女の瞳から次々と零れ落ちている。僕は自分の目を疑った。夢のような現実に驚きのあまり、頭の中が真っ白になった。小説家としてはあるまじき脳内だ。ファンから寄せられた自身の実体験をもとに小説を書いているようなファンタジーとは無縁の僕には衝撃的な光景だったのだ。  店長が固まっている僕の横を通り過ぎて彼女の傍に寄る。店長は、彼女に木でできた小箱を手渡した。彼女は、スカートの上に散らばっている淡く輝く星をその小箱に集めて入れた。  彼女が小箱の蓋を閉めたのと同時に、店長が何やら耳打ちする。すると、彼女と目があった。店長が何を話したのかは知らないが、僕に関することだったのは確かだ。彼女は、僕を不思議そうに見つめたあと店長に頷きを返していた。  彼女と同じ席でコーヒーを飲むようになって、しばらく経つ。  彼女の名は、天川星子といった。星の涙を流すことといい、七夕のために生まれたような人だなと思った。  「佐々木さん、ファンタジー小説を書いてるって、本当ですか?」  姿勢よくソファに浅く腰掛けた星子さんは、どこか嬉しそうに尋ねた。  僕は、そのことをまだ星子さんに言ったことはないはずだが。しかしまあ、嘘をついてまで隠すことではない。  「はい。最近のことなので、まだ全然進んでませんけど」  「そうなんですね」  星子さんは一層嬉しそうに笑みを深めた。しかし、次の瞬間には顔を引き締めて、居座りまでただした。おまけにコホンと、芝居がかった咳払いまでして。  「私でよければお力になります」  「はい…?」  僕がいま書いているのは、まさに星子さんを元にした夢物語だった。  星の涙を流す彼女の姿を見た時、書きたい、とそう思ったのだ。  「店長さんから聞きました。佐々木さんが珍しくファンタジー小説の執筆にとりかかっているって」  「だから、非現実世界を知っている星子さんが僕に話を聞かせてやってくれないか、って?」  「わ、よくお分かりに。その通りです」  僕は、カウンターの向こうでコーヒー豆を挽いている店長を見た。店長は僕と目が合うと肩をすくめて真剣な表情で豆を挽き続ける。  僕は、店長に自分が書いている小説について話すことがよくあった。読者視点の意見をもらうのだ。店長は口がかたいし、どこで勉強したのかわからないがとにかく豊富な知識を持っていたから、相談相手としてとっておきな人材なのだ。  しかし、つい昨日のことだ。生まれて初めてファンタジーを題材にした小説を書いていることを相談したら、店長は珍しく苦い顔をした。  「空想上の世界についてはよくわからない」と。  人の好みを完璧にとらえてメニューを提供するかたわら、空想世界について考えるのに大きなパワーを使うらしい店長は、どこまでも現実主義でこの世界にいる人と向き合うことが好きだった。  そして、僕の力になれなかったことに申し訳なさを感じて星子さんに相談を持ち掛けるあたり、本当、お人好しというか。肩をすくめた仕草を見る限り、僕が普段は人に自作小説の話をしないのを知っているようだったが、それでも星子さんに相談に乗ってもらうことのメリットの方が大きいと踏んだのだろう。  僕がここ以外の喫茶店の常連になることは、まずない。  「では、星子さんの涙にまつわる話を聞かせてもらえますか?」  「えっ、涙ですか?」  ぽかん。  「え?僕が星子さんをイメージした主人公を書いていることを知った上で相談にのってくれてるんじゃないんですか?」  「私?えっ、私が主人公ですか?」  どうやら小説の内容までは聞いていなかったらしい。  「星子さんを"イメージ"した主人公なので、厳密にいうと星子さんが主人公というわけではないです」  「む……」  機嫌を損ねたらしい。  店長がコーヒーを運んでくる。僕にはクッキーが、星子さんにはカップケーキがセットになっている。  星子さんは、小さい口をきゅっと引き結んだままカップケーキを手にとった。  「……美味しいです!私、店長さんのカップケーキが一番好き!」  店長は星子さんのとろけそうな笑顔を見ると、満足そうに微笑んでカウンターへ戻っていった。  「思えば、私の涙って普通じゃないんですよね」  コーヒーを一口飲んだ星子さんは、急に冷静になったように目を閉じて言った。  「私は生まれた時から、流れた先から星になるのが涙だったので、ついそのことを忘れてしまいます」  それもそうだろう。誰もが身近にあることを世間の常識と認識して生きている。  「佐々木さんはやっぱり、透明な液体の涙を流すんですか?」  「はい」  「……いいですね」  その微笑から、彼女の人生が垣間見えた気がした。  僕だけでなく、この世に生きるほとんどの人が涙といえば透明な液体を想像するだろう。だが、彼女は違う。  「私は、この涙のせいでのけ者にされたことがありました」  「いじめ、ですか?」  「そんな大事じゃありません。本当に、ただの"のけ者"です」  それをいじめというのではないだろうか、と思ったが彼女の中ではそうではないらしい。  「みんな私を観察していたんです。変わってるから。何かしらが起きてしまっても大丈夫なように、遠くから、私を」  ひょ、と肩をすくめた星子さんは「しょうがないよね」と言っているようだった。「でもすごく悲しかった」とも。  「2パターンあって、いま言ったのは私をあまりいいように思わなかった人のことなんですけど」  両の人差し指を立ててテーブルをトントン、とたたく。左の手は膝の上へ降り、残った右の人差し指がカップケーキの皿をつついた。  「綺麗だねって言ってくれる人もいました。そういう人たちとは、やっぱり仲良くさせてもらえましたね。私の涙をひとつの個性としてとらえてくれるんです」  人差し指がほどけて5本の指が並び、僕に差し出される。  「佐々木さんも私を悪く思わない人ですよね。私を小説の主人公のモチーフにしようとしてるくらいですから」  嬉しさを隠す気もないようなニコニコの笑顔を浮かべて僕の頷きを待つ彼女に、僕は正直に思っていることを言った。  「主人公が良い人だったらそうですけど、悪者にしてしまったら、星子さんにいい印象は持ってなかったということになります」  「え?」  「実は、まだ主人公の性格とか決めていないんです」  「……やだもう、勘違い。いや、でもそれって佐々木さんのせいじゃない?」  「は?」  星子さんは倒れ込むようにしてソファに身をしずめた。すっぽりとソファにおさまった姿が彼女の華奢な体を際立たせている。星子さんは、そのまま人差し指で頬を叩きながら考え込んでいる様子だった。  やがて、僕をジロリと睨む。  「佐々木さん、お仕事のために私を利用しようとしてますか?」  「悪く言えばそうですけど、星子さんの方から持ち掛けてくれた話ですよ?」  「私は人助けのつもりで……」  「良く言えば、そうなりますね」  「……ものは言いようというわけですね」  「言葉とは便利なものです」  「なんてこったい」  「な……?」  まさか、今時そんなフレーズを使う人がいたとは。  天川星子という人は、なかなか面白い人だと改めて思う。なんといっても表情がころころ変わるのが、飽きがこなくて良い。特に、僕が考えていることと彼女が考えていることはすれ違っていることが多く、全く違った視点を与えてくれるので彼女との会話は新鮮で楽しかった。  「佐々木さんみたいなタイプの人は初めてです」  「そういうの、物語において重要な立ち位置ですね。もっと僕について教えてください」  「私たち、まともな会話してますか……?」  以来、ごく自然に僕たちは喫茶店の外でも会うようになった。  彼女の涙にふれたのは、いつもの喫茶店で婚約指輪を渡した時のことだ。  彼女の右の薬指にシンプルなデザインのシルバーリングをはめると、急に泣き出したのだ。僕は緊張していたせいもあって、慌てて彼女の頬の下に手のひらを差し出した。コロコロ、といくつもの淡く光る星が僕の手のひらに溜まっていく。  「涙ってぬぐうものじゃないの?」  「どうやって拭えと……」  変な汗をかいている僕を見て、星子さんは思い切り笑った。彼女の頬に跳ねた星が僕の頬に飛んでくる。花びらが触れるような感覚のあと、綻びるようにして砕けた星屑が僕の視界にパチパチと煌いた。  衝撃を受けた星子さんの涙は空気に溶けるようにして消えていく。僕の手のひらに落ちて衝撃を免れた星も、気が付いたらいつのまにか、どこかへ姿をくらませていた。  つかみどころがないのは、空に浮かぶ星そのものだった。  「私、幸せ。これからもよろしくね」  「うん、ずっと一緒にいよう」  星子さんが微笑むのと同時に赤くなった目じりから星が落ちてくる。ひとつだけ落ちた星は、まるで流れ星のようだった。僕は最後に僕の手のひらに落ちたその星をつまんで観察してみた。  「なにか、いつもと違う?」  「いや、そういえばこれ、流れ星にも例えられるなと今更ながらに思って」  「ああ……確かに」  何をお願いする?と、声が重なる。  「宝くじで1億円当たってほしい」  「僕は、近いうちに家が空を飛んで引っ越しできるようになってほしい」  律儀に目を閉じて3回、唱える。  「ずっと幸せでいられますように、とかじゃないんだね」  目をあけると、頼んでいないケーキが置いてあった。  いつの間にか傍にいた店長が「おめでとう」と微笑む。  「わ!ありがとうございます!」  「店長、流れ星への願いごと、信じてるんですね。意外です」  「願っといて損はないでしょ」  店長は肩をすくめると、カウンターへ戻っていった。  「まあ確かに、婚約した後で願うことではなかったよね」と、早速ケーキを頬張りながら言う星子さん。それもそうだ、と僕は肩をすくめた。  店長が用意してくれたケーキは僕たちの好みの甘さで、優しい。  星子さんと出会ってから、彼女の涙を見たのはこれまでで3回あった。  1回目は、行きつけの喫茶店で彼女が小説を読んでいたとき。2回目は婚約指輪を渡したとき。3回目は、出産のときだ。ちなみに、結婚式で彼女が泣くことはなかった。結婚式には、彼女がよく知らない僕の親戚も来る。人前では涙を我慢する癖がついていた彼女は、終始笑顔で式にのぞんでいた。手紙を読みながら新婦が涙するシーンこそなかったが、あまりにも幸せそうに笑うので、親族や友人は「良かったねぇ」と彼女の代わりに大泣きしていた。    「パパ、あっち行ってくる」  「ああ、転ばないように気をつけるんだよ」  娘は3歳になっていた。母親にそっくりの美人だ。  僕は、散歩コースになっている公園の原っぱを駆けていく娘をベンチに座って見守る。この公園は親子連れが多く、今日のような天気のいい日には子どもたちが元気に走り回っていた。  とにかく走りたいらしい娘は縦横無尽に駆けまわっている。  「あの子、やっぱりこけそうだな。傍にいた方がいいかな?」  誰に問いかけるでもない。ただ、つい口をついて出てしまう。しばらくしても返事がないことに、ようやく星子さんがもういないことに気が付くのだ。  「……こけるのも、経験だよね」  星子さんは、娘を産むとすぐに亡くなった。出産に立ち会っていた僕は、その時、彼女の手をにぎっていた。  彼女は、娘の産声を聞きながら僕の目を見ていた。娘の元気な声を聞いて安心したのか、口元が綻んだ。その時、彼女の瞳から溢れるようにして大きな星がひとつ、ポロリと落ちた。大きな、大きな、星だった。  彼女が最後に流した涙は、消えることなく残っている。この一つ以外は全て、衝撃をうけて崩れて消えるか、時間が経つと知らぬ間にどこかへ消えてしまっていた。しかし、親指の爪ほどある星は3年経った今も、生まれたあの時と変わらず、そのいくつもの突起と淡い光を維持したまま残っている。  僕は、それを小袋に入れていつも胸ポケットの中に忍ばせていた。だから、彼女が亡くなっていることを忘れて独り言をいってしまうのかな。  「あ!」  娘が転んだ。  僕は、全速力で娘の傍に寄った。地面は原っぱだから大した怪我はないはずだが、心臓がドキドキしていた。  娘は、自力で起き上がった。しかし、今にも泣きそうだ……と、思った時にはすでに泣いていた。  「うわあああん!!」  大きな声に比例して大粒の星が零れおちる。  黒い瞳から次々とこぼれる淡い星は、まるで夜空に降りそそぐ流星群のようだった。  「わあ、あ、泣くな、泣くな。大丈夫。怪我なんてないよ」  我ながら、あやすのが下手だ。小さい子は、痛くて泣くというより、驚いて泣くことが多いと聞いたことがある。なので、落ち着かせれば大丈夫なのだが、その前に僕自身を落ち着かせなければならないというわけだ。  「大丈夫?」  「!」  いつの間にか、娘と同い年くらいの男の子が娘の顔を覗き込んでいた。僕は、思わず身を固くする。今すぐ、星の涙を流す娘を抱いて走るべきか、黙って様子を見るべきか、悩んでいた。  星子さん、どうする?  小説を書く時といい、彼女の助けを借りる癖がついてしまっている。  「すっげー、それ星?」  「……うん」  「見せて!」  娘の星はもろく、男の子の手の平の上にのせた瞬間、雪玉がほぐれるようにして崩れ去った。  細かな星屑が風に煽られ、男の子の眼前を飛んでいく。  「……すっげー!!」  その瞳は、娘の星に負けない輝きを放っていた。  「なあ、今のすげーキレイだった!」  この子は大丈夫だ。娘を傷つけるような子ではない。  そう安心したが、すぐに緊張感が走る。  「もっかいやってよ!」  娘は、もう泣き止んでいる。残っているのは、草原の上に散らばった不完全な星だけだ。どうしたらいいのかわからない娘は、小さな指をつまんだり捻ったりしながらだんまりを決め込んでいた。  「できないの?」  こくりと頷く。  「じゃあいいや」  僕は、胸ポケットに手をあてた。  「一緒に遊ぼうぜ!」  男の子につれられ、走りにいってしまった娘。  鬼ごっこを始めたらしい二人は、転げるのではないかと思うほど大きな笑い声をあげながら走っている。  僕は、ぽつんと公園のど真ん中に取り残されていた。  ベンチへ戻り、腰掛ける。胸ポケットから星を取りだすと、相変わらず溶けて消えてしまいそうな柔らかな光を放っている。  僕は、この星をどうしようと思ったのだろう。「じゃあいい」と言った男の子に見せて、引き留めようと思ったのか?それは、娘の個性を殺すに等しい行為だ。  「はぁ……」  きっと娘には、この先いくつもの苦労がそれこそ流星群のようにふりかかるだろう。僕は、それら隕石から娘を正しく守れるのだろうか。  星子さんだったら、きっと自分の経験を踏まえてシリウスのように道しるべを示してくれるのだろう。  「……僕も星の涙が流せるようになりますように」  願い事をしたのは、喫茶店で婚約した時以来だ。その時に願った、家が空を飛ぶ未来は叶っていない。叶うか、叶わないか、わかったものではないが、願っといて損はない。これは、行きつけの喫茶店の店長の受け売りだ。  この先、僕が星子さんの分も娘を守り育てていかなければならないのだから、できることはなんだってしたい。  「あの……」  会釈をしながら若い夫婦が近寄ってきた。  「息子がお世話になってます」  何のことかと思ったが、すぐにいま娘と一緒に走り回っているあの男の子のご両親だと気が付いた。  「太陽の父です」  「母です。もし良かったら、うちでお茶しませんか?家がすぐ近くなんです」  「はあ……それはどうも」  ということは、うちの近所でもある。近くに友だちがいるのは、娘にとってもいいことだ。それに、太陽くんという名前もなんだか運命を感じてしまう。  きっと長く付き合えるいい友人になるだろう、という僕に、うんうんと頷く星子さんが目に浮かぶ。  「ところで、娘さんのお名前、なんというんですか?」  僕は、娘の名前を決めるときに星子さんが言ったフレーズをそのまま夫婦に伝えた。  「夜空に浮かぶ月に、子どもの子と書いて、月子です」  「まあ、素敵なお名前」  「なんだか他人とは思えないなぁ」  「そうですね」  きっと人生で巡り合う人は、決まっているのだろう。そして、"運命"という言葉があるように、全ては"なるようになる"のだ。僕と星子さんが出会ったように、娘が生まれたように、星子さんが僕たちを見守る空の星になってしまったように。僕たちにできることは、きっとそれを受け入れることなのだ。ただ、大切なのは幸せになるための受け入れ方だ。  家に帰ると、星子さんが最後に流した星はどこかへいってしまっていた。もう、迷った時にどっちがいいかなんて聞けやしないし、願い事もできない。  「パパァ、もらしちゃった!」  「わ、はいはい、とりあえずトイレね!」  「オレンジのパンツがいい!」  「ええ、洗濯中なんだよな、それ。水色のでいい?」  「ぜーったいイヤ!!」  でもまあ、これだけ明るい月がいたら迷いもしないか、なんて。
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