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twinkle
短冊に願いごとを書いたのなんて、いつが最後だったろうか。
商店街の中央に置かれたそこそこ大きな竹と、笹の葉にぶら下がる色とりどりの願いごとが風に揺れている。
『もう一度でいいからおばあちゃんに会いたい』
どこか切実な響きを持った願いが目に入り、自分の脳に焼き付いていくのがわかった。
星の色と同じ黄色の短冊。丸っこい可愛いらしい字だが、意外と男性かもしれない。
『もう一度でいい』
亡くなったのだろうか。それともこのご時世で会いに行くことができないのだろうか。少なくとも、会いに行きたくても行けない場所にいるのだろうなということはわかった。
目に見えない敵が世界中に蔓延り、日本は一億総マスク状態となった。
都会から離れたこの場所も、一時シャッター商店街となっていた。気温の上昇と共に少しずつ経済活動が再開したものの、二度とそのシャッターを開けることなく終わった店もある。同じ食材を扱う店でも、食料品店なのか、飲食店なのかで大きく差が出た印象を受ける。
誰がこんな世の中になることを想像しただろうか。
『もう一度でいいから』
明日は休みだと意気込んで行った酒屋で、『よかったら書いてって』と貰った短冊を手に、竹のそばに設置された机とそこに置かれていたペンを借りることにした。
せっかくだからと書いた私の願いも、見知らぬ誰かの願いと似たようなものだった。
『もう一度でいいから、雨さんに会いたい』
―神様お願いです。一度でいい。決して夢にも出てくれない私の友人に、もう一度だけでいいから会わせてください。
祈りを込めて笹の葉に願いを掛けた。切実な、しかしどうにもならない願いだった。
*
雨は彼女の本名ではない。
「私、六月六日生まれなんです。コックさんの絵描き歌あるでしょ? 『六月六日に雨ザーザー降ってきて』って。私の名前はそこからつけたんです」
誕生日の日はよく雨が降るんですよ、と彼女は苦笑した。
共通の趣味をきっかけに、SNSを通じて私たちは知り合った。初対面は六年前だが、ネット上では七年前に出会った。一年という短いような長い期間ネット上で交流を続けていたこともあり、初対面の時、あまり『はじめまして』と思わなかった。
「奇遇ですね。私も似たような名付け方でしたよ。『緒方ユリ』って『O型七月生まれ』って意味なんです。ユリはドイツ語の七月です」
「そうなんですか! じゃあ私たち誕生日ちょっと近いですね」
年こそ私が五つ下で少し離れていたが、仲良くなるのはあっという間だった。
三ヶ月に一回程度、私たちは遊ぶ約束をし、鑑賞会だスケブ会だとヲタク活動を楽しんだり、時には一日に五軒カフェをはしごしたり、少し遠出をして水族館や動物園に出かけたり、どこにでもいる普通の友人としての交流が増えた。いつしか互いの本名も住所も知っている仲になったが、相変わらず『雨さん』『ユリさん』と呼び合い、時々敬語が崩れる瞬間があることがたまらなく嬉しかった。
*
タイマーをセットし、一時間前から冷房がついていた部屋は涼しいが、ほんの少し梅雨の嫌な湿度を含んでいた。空気を入れ替えようと窓を開ければ、今年の妙な冷たさのある風が顔を撫でた。
毎年のことだが、七夕というのは天気に恵まれない。梅雨時ということもあり、天の川は見えないことが多い。今年は曇っている上に風が強い。遠く離れた土地で災害レベルの雨が降っているのを思い出し、申し訳ないがうちじゃなくて良かったと心底ほっとした。
―あれ?
一瞬、光が曇り空を割るように流れたような気がした。
そういえば先日、火球が観測されたと話題になっていた。ウイルス、火球、それから火山のニュースも耳にしたし、連日大雨大風が続き、これはいよいよ人類は地球に敵とみなされたのかもしれないなと、一人思い出して苦笑した。
「ユリさん」
不意に背後から掛けられた声に、ぎゅっと心臓を掴まれた気がした。一人暮らしのアパートの家に鍵をかけて部屋に入ったはず。幻聴かと思いながら恐る恐る声のした方を向いた。
そこに立つ人の姿が目に飛び込んだ瞬間、いよいよ地球は終わるのかと思った。
「……雨さん…?」
「…こんばんは」
一年前、亡くなったはずの友人が生前と変わらぬ姿でそこにいた。
*
「私はいつもそうなんですけど、特定の推しキャラって言うのがないんですよね。『この子とあの子が絡んでいるのが好き』とか『この三人の空気感好き』とか、セット推しで好きになるのが多いんです」
自分はこんなに饒舌に話せる人間だったということに、彼女と出会って気づいた。学生時代、やっとの思いで出来た友人とは、思い切り趣味の話が出来るような仲ではなく、むしろ聞き役に徹していた。卒業して連絡を取り合うことはないが、一応グループの集まりには声を掛けてもらえるし参加もしているが、正直友人と呼んでいいのかはわからない。
「わかります。私はハッキリと推しがいるけど、『誰々といる時の推しが可愛い』とかあります。運動部系作品はそういうの特に目立ちますよね。人数多いからこそ、ポジションとか学年ごととか組み合わせが色々あって最終的に『みんな可愛い』って萌え転がる」
「めっちゃわかる…もうみんな尊い……。この歳になると十代の若い子が一生懸命ってだけで愛おしくなります」
「いやユリさんもまだ若いからね」
あの作品のどこがいい、誰がいい、今何にハマってて、次は何が気になってる。そんな話ばかりだがそれが楽しかった。
仲が深まるにつれて、仕事の愚痴や学生時代のことなど、身の上話もするようになった。
彼女の話は楽しい。そして聞けば聞くほど、一般的なヲタクと呼ばれる人種の持つ陰の気を彼女からは感じなかった。明るくて面白い人。元気があって可愛い人。
ああ、本当にこの人はモテる人だなぁと何度も思った。老若男女関係なく。そして、そんな人が自分のような典型的な陰キャラの自分に『構ってー!』と連絡をくれることが誇らしかった。
そして、気づけば初めて出会った彼女と同じ歳になったていた。出会ってから丸五年、六年目の年を迎えた頃、衝撃的な呟きがあった。
『検査入院することになった。ちょっとヤバそうな病気かもしれないらしい…』
そのつぶやきの二週間後、病名が発覚したと彼女は言った。
『本格的な入院が決定しました。ちょっと珍しい病気みたいで長期戦になりそうです。まだまだ生きてヲタ活しないとだから頑張ってきます!』
頑張る、と言った彼女を信じることしか、祈ることしかできなかった。
『プレゼンしたい作品まだまだ沢山あるので、一日でも早く良くなるよう祈ってます! 雑談したくなったらぜひお声かけくださいね。僭越ながら、返信率100%として定評のある私が雑談相手になりたい所存!』
できるだけ陽気に、キリッとした顔文字付きで彼女に送ると、彼女からも明るく前向きな返信が来た。
『ありがとうございます! 私も一緒に沼って欲しい作品いっぱいあるからその日に目指してがんばる!』
その日の夜はよく晴れていて、窓を開けて星空を眺めた。まだ乾燥している空気が星をより輝かせる。星が降ってきそうな綺麗な夜だった。
―流れろ。流れてくれ。全力で願うから。
大変な病気じゃなきゃ『まだまだ生きる』なんてわざわざ言わない。
―流れろ。流れてくれ。全力で三回、願うから、彼女の病気を治してください。神様、神様お願いだから…!
…祈りは届かず、二週間後、彼女は息を引き取った。
*
スマホをテーブルに置き、彼女が「はい」と言う度にスワイプをする。
「サラッとでいいから最終回どうなったか気になるんです。ユリさんも漫画読んでましたよね? 見せてもらってもいいですか?」
なんてお願いをされ、彼女が亡くなった数ヶ月後に最終回を迎えた漫画をスマホで見せることになった。真剣に見いるその様は、生前の彼女と一緒にカラオケで鑑賞会をした時の横顔そのままだ。
一体、何が起きているのだろうか。…夢か。そう結論を出した。でなければ、亡くなったはずの彼女が今、並んで漫画を読むはずがない。
「はい」
亡くなっているからスマホは触れないらしい。読んだよ、という合図が出る度、私は画面をスワイプする。
そして全部読み終わったらしく、はぁーと深いため息を吐いた。
「……ありがとうございました」
はぁー、ともう一度深いため息を吐きながら彼女は床に倒れ込んだ。
「大作が終わった…。なんか……あーどう表現したらいいんだろうこの気持ち! 私の語彙力じゃ伝えられないけど今めちゃめちゃテンション上がってます」
顔を両手で多い控えめながらも確実にテンションを上げている。
「わかります。私も最初に読んだ時『はぁー…終わったぁ―……』しか出てこなかったです。感動してるのは間違いないんですけど、なんといえばよいかわからず、ただただ感動と、あと作者様へのありがとうな気持ちが爆発して勢い余って初めてファンレター出しました」
「え、初ファンレターですか?」
「この方には初です。初めましてのお手紙なのに勢いのまま…でもお忙しいでしょうから手短にしようと思って、感想は短めにひたすらありがとうという感謝と、プロの漫画家に対してなんてことをって感じなんですけど、勢い余って描いたイラストも同封しました」
「え、その絵って今見られたりします?!見たい!」
勢いよく体を起こした彼女の前にピッと右手を突き出した。
「残念! 送った時にコピーとかしなかったのでありません! アナログだったんで」
「コピーぃぃ!コピーはしといてくださいよぉぉぉ!SNSとかにもあげてないんですか?」
「いやほんと全くなんです…勢いで描いて勢いで送ったので…」
「残念です…見たかった……」
彼女は今度、テーブルにうずくまった。スマホには触れないけどテーブルにはつっ伏すことができるのか、とどうでもいいことを思った。
「…雨さん…なんでいるんですか?」
項垂れる彼女に声をかけた。すると、彼女は再び身体を起こした。
「…私もわからないです。けど、今日七夕だからかな。神様がほんの少し、力をくれたのかもしれない」
何を漫画みたいなことを。…ああ、そうか。これは夢だから、漫画みたいな事が起きてもおかしくはないなと納得した。
「なら尚更こんな所にいていいんですか? 雨さん知らないでしょうけど、今は世界中が大変なことになってるんですよ? ご両親とかお友達とか…心配な方たくさんいるんじゃないですか?」
「ユリさんもお友達でしょ?」
ムッと頬を膨らませた。五つも年上のアラサー女子のすることじゃないぞ、と心の中で悪態をついた。
「最終回読みたかったのもそうなんだけどさ、なんか一番呼ばれている気がするなぁと思ったんですよ。ほら、家族や学生時代の友人とかはみんなで支え合ってるんだろうし。それにユリさん私に会いたくなかった?」
そんな当たり前のこと聞かないでくれと、今度は私が顔を膨らませる番だった。
「せっかくだからたくさん話そう。多分、こんなの今日だけだからさ」
最後に生きてる彼女に会ったのは、亡くなる四ヶ月前だったなと思い出した。
「…そうですね。夢なら覚めるまで、たくさんお話しましょうか」
*
訃報が私の元に届いたのはほとんど奇跡だ。彼女は同じ学校、同じ会社という『リアル』で繋がった人ではない。本来なら繋がることのなかった縁がネット上でつながり、出会いにまで至った。我々世代なら『ネットで知り合った人』と言うと少し怪しげな響きを持つし、『大丈夫なの?』と聞かれたことも実際ある。
にも関わらず、彼女の妹だという人が連絡をくれた。トーク履歴を見て一ヶ月以内にやり取りのあった人を中心に連絡をくれたそうだ。
葬儀案内の紙を写真に撮り、その画像が添付されていた。『森野瑞季』という彼女の本名の前に『故』という文字が入っている。
―式って何だろう。ああ、結婚式かな。御祝儀包まないと。
そんな現実逃避は虚しいだけに終わった。
会社にはすぐ連絡を入れ、消化しなければいけなかった有給を急遽だが葬儀の日に入れ込んでもらい、彼女の地元で行われる葬儀場へと向かった。
早めに会場に着き、意を決して彼女とよく似た女性に声をかけた。彼女の妹だった。
連絡のお礼と、自分が確かに友人であることを証明する為に写真を見せた。レイヤーでもない限り、ヲタクは滅多に自分たちを撮らない。その習性が今こんなにも後悔することになるとは思わなかった。唯一一緒に映っていた貴重な写真を見て、「ああこれ、部屋に飾ってありました」と妹さんは笑った。一緒に行った動物園で記念に一枚撮影し、せっかくだからと台紙付きで写真を購入したのだ。
―そうか。飾ってくれてたんだ…。
亡くなる前日も、前向きに『頑張る』と言って弱音も吐かずにいたそうだ。本当は辛くて辛くて仕方なかったはずだと話してくれた。
棺の中の彼女は、眠っているようにしか見えなかった。揺り起こせば目を覚ましそうで、まさかこれからこの身体が棺ごと燃えてしまうなんて思えなかった。
出棺の際、彼女の友人と思われる女性が、火葬場へと向かう霊柩車に小さく手を振っているのが目に入った。
―バイバイ。
知りもしないその人の声が聞こえてきてような気がした。
*
「そっか。新しい元号は『令和』って言うんですね。私は元号発表前に死んじゃったからなー」
「ネット上では今から令和十八年が楽しみだって騒がれてましたよ」
「…あぁ。ネット民のそういうとこ嫌いじゃないです」
「この世は大喜利に溢れてます」
この一年は大変な年だったように思う。大きな地震があった。店から養生テープやガムテープが消えるほど、強力な台風が日本列島を襲った。戦後最悪と言われたアニメ会社の凶悪事件には世界中のヲタクが涙を流した。沖縄の象徴たる赤い城は火災で燃え、世が世なら改元したばかりでまた改元だったろうにとテレビを見ながらため息をついた。
そして、今は夏だと言うのにマスクが手放せない世の中だ。
「本当に大変だったんですね。というか今も大変なんですよね」
「そうですよ。他人事だなぁもう」
「…他人事かもしれません。私もう死んじゃったんで」
へへ、と彼女は笑って見せた。
「最終回、一緒に迎えたかったです。リアルタイムで」
「ほんとね」
「…もっと遊びたかった」
「…そうだね」
「もっと生きてて欲しかったよ」
「…うん、私も生きたかったよ」
声が震えてきた。さっきまで、彼女が生きていた頃と同じように笑いあっていた。漫画やアニメの感想、あれから共通の友人たちがどんな風に過ごしていたか。そんな話を沢山した。
「何度も思ったよ。今時間を巻き戻せる力を手に入れたとして、どこまで戻ればいいか、どこまで巻戻れば雨さんは死なずに済んだのか。時間を巻き戻せたとして、なんて言えば雨さんが病気になる前に、死んじゃうほど手遅れになる前に気づいてもらえたのかなとか、そんなことばかり考えていたよ」
ボロボロと目から雫が落ちていくのがわかった。嗚咽が漏れる。涙が押し止められない。悔しい、悔しいと毎日思ったあの日々が、今も続いている。
「…ユリさん、悔しいけど私、こうなる運命だったんだと思う。なんで私が?って思ってた。悔しかったよ。でも、運命だったって言葉で片付けないと、私も納得できないんだ。三十二歳と九ヶ月。それが私の寿命」
彼女は悔しげに顔を歪ませながら苦笑した。
「ユリさん、お誕生日おめでとう」
「…え?」
「気づいてなかった? もう七月八日になってるんだよ。だから菜乃葉って名前になったんだって、ユリさん言ってたじゃん」
彼女は部屋の壁掛け時計を指さした。すでに夜中の二時を回っている。
「…神様が…七夕ついでにくれたご褒美なのかもしれないなぁ」
彼女は立ち上がり、窓の側に立った。風が強く、見える木々が激しく揺れている。
「天の川じゃなくて三途の川だけど、私をユリさんに会わせてくれたのかもしれないなぁ。ユリさん、短冊に書いたでしょ?」
「…短冊……ああ、近所の商店街で…」
「七夕の願いごとって叶うもんなんだね」
彼女が笑うと、私は泣きたくなった。
「私、友達らしい友達、ずっといなかったんです」
「前言ってたね」
「学生時代はグループには混ぜてもらってるような感覚で…どこか息苦しかった」
「うん」
「でも、独り言用に始めたSNSで、雨さんが話しかけてくれて、そこから友達も増えて…ああ、世界は学校や職場だけじゃないんだってことを知って、それから私、生きている実感を始めて持った気がする」
「うん」
「……雨さんが話しかけてくれたからだよ。ずっと感謝してる。ありがとう」
涙が溢れ、眠気が遅ってくると、ああ、夢が覚めてしまうと何故か思った。夢が覚めたら彼女はいなくなってしまう。そんな予感が涙をさらに溢れさせた。
「出てきてくれたかと思えば、漫画読みたいなんてさ。雨さんらしくて……ふっ…」
「いや絶対ユリさんだって同じこと言ったと思うよ」
「そうね。ヲタクってそういうものだよね、きっと」
涙を流しながら、今度は込み上げてくる笑いを抑えられなくなった。つられるように彼女も笑う。
「大変な時期だと思うけどさ、負けないでね。ちゃんと私の分までたくさん生きてね。最初会った頃の、迷子みたいに不安げなユリさんはもうどこにもいないよ。今のユリさんなら大丈夫。ネットで知り合った人と会うっていう渾身の勇気がいることをできる人だもん。おばあちゃんになるまでこっちには来ちゃダメだからね。約束だよ」
差し出された小指に、私は自分の小指を絡めた。…つもりだったが、肌に触れたような感覚はなかった。そうか、幽霊には触れられないのか、夢の中でも。残念がっていると、まぶたが重くなり目が閉じてしまった。
「またね、ユリさん」
ピカっと眩しい何かが目の前を通り過ぎたような気がして、ぎゅっと目に力を入れると同時に、私の意識もそこで途切れた。
*
目が覚めると、着替えもせず、窓も閉めずに寝落ちしていたことに気づいた。酒屋で買った冷やして飲むのが美味しい日本酒も袋に入ったままになっている。
テーブルに置かれたスマホの画面は、一年前に最終回を迎えた漫画が読書中になっていた。
「…夢……だよね…」
今日も雨風強く、目に見えない敵と戦わなくてはいけないというのに、どこかスッキリした気分になった。
窓に近づき、曇った空を見上げた。
「…ありがとう。頑張るよ」
淋しさは消えない。けれど想い出も消えないのだ。私が忘れなければ。
*
二十九歳の誕生日の夜、風がまた強かったけれど、そのおかげで少しだけ、雲の隙間から久しぶりに星が見えた。
「まばたきしては…みんなを見てる…」
遠い昔、誰かがつくったその詞の意味はこういう事だったのかなと、噛み締めた言葉と、流しかけた涙と一緒に酒を流し込んだ。
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