第4章

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楽し気に話していると目鼻立ちがはっきりとした、いかにも沖縄の少女といった女の子が顔を出した。おばさんの娘の山田(ヤマダ)りなだ。 ハルカ達に気づくと、眉間にしわを寄せ 「はっ。ハルカ、なんでここにいるば?」 「飯食いにきただけじゃん」 「ハルカが来たらよ、やかましくて、かなわんさぁ」 「食ったら、すぐ帰るよ」 軽快なやりとりに仲がいいのだなと眺めていると、リナが視線をハナの方に向けるので、ハルカが「ハナちゃん。山田と同い年だから、仲良くしろよ」と紹介した。 「高木葉凪です。同い年なんだ。よろしくね」と挨拶する。 はっきりものを言う感じの子だったせいか、なんとなく姿勢が伸びた。 でも夏休みが明けたら、同じ学校に通うことになる同級生だし。仲良くなれたらいいなとどこかワクワクする。 「こいつ、山田ね」 とハルカ。 「リナ。山田で呼ぶのハルカくらいよ。弟もいるからよ、山田で呼ばれたらでー(とても)紛らわしい」 「ハルカがリナの弟と同級生なんだ。二人でよくダンスしてる」とカイリが言う。 そういえばダンスが好きだと言ってたことを思い出す。リナの弟と一緒にやっているようだ。 「こんな島で踊ってるのハルカと(タケル)くらいさ」と呆れたように肩をすくめた。
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