第1章

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それから6年後。 その少女、高木葉凪(タカギハナ)は中学三年生になった。 ひとり石垣島の空港に立ち、驚きながら辺りを見渡している。 那覇から約400キロ離れており、飛行機でも一時間程かかる離島と聞いていたので、 何もないと思っていた。想像とあまりに違う。 南国の木や花が色鮮やかで、イートインのフロアはカフェテラスのような解放感があった。白いパラソルが広がる。 おまけに7月という夏真っ盛りの季節のせいか、人の賑わいもあった。 空港の正面玄関を出ると、さんさんとさす太陽と熱い外気が身を包んで、思わず「あつっ」と呟いた。 東京で見た太陽と同じはずなのに、全然違う。太陽二つ分はあるかもしれない。 汗が滲んできたけれど、急に日焼けすると火傷すると言われたから、羽織っていたUVカットのパーカーは脱げそうにない。
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