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「…そろそろ二人とも仲直りしたかなぁ?」
アイスコーヒー片手に私はつぶやく。
あれから一時間以上経過している。
それにしても、あのおじいさんナイスタイミングだよなぁ。
そんな事を思いながら、窓の外に目をやる。
「…えっ、」
そこには、笑顔で仲良く腕を組む両親の姿があった。
いつの間に仲直りを…。
ていうか、急に仲良くなりすぎじゃない!?
「お嬢ちゃん」
びっくりして立ち上がった瞬間、後ろから声をかけられた。
そこにいたのは、あのおじいさんだった。
「お母さんからの伝言だ。二人で買い物してるから、先にホテルに戻ってて」
「あの、一体何が…?」
私がそう聞くと、おじいさんは窓の外の光を見つめて声を出した。
「…夫婦には少し、一人で冷静に考える時間も必要なんじゃ。まぁ、お嬢ちゃんにはまだ分からないと思うがな」
「…はぁ?」
実際、その時はまだ良くわからなかった。
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