てん、てん、てん。

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 ***  結局。俺達はあの日見てしまったものを、誰にも言えないままでいる。とても他の星空を見る気にもなれず、他の遊びをする気にもなれず――そもそも理央には申し訳ないが、理央の母が帰ってくる時間になる前に逃げたかったというのが本当のところだ。  あのみにぷらは、一ヶ月前新品を購入したものだ。そして購入して以来、ずっと理央の父親の部屋にあったもの。みにぷらに挿入できるディスクは、手間さえかければ自作することも可能な代物であるという。 『最初の星座のディスク。飛び散ってたのは……僕には血に、見えたんだよね』  ぽつり、と。泣きそうな声で告げた理央の声が、耳から離れずにいる。 『なんで、あんな……人の潰れた顔とか、首吊り死体とか、そういう画像がいっぱい入ったディスクがあんなにあったんだろうね。だってさ、あれ、もしも元は動画とかの一部なんだとしてもさ。……わざわざみにぷら用のディスクに変換したってことは……手間をかけても、見たかったってことでしょ。満天の星空みたく、天井いっぱいに……そういうモノを』  何かの勘違いだ、と言ってやりたかった。それでも、あれが新品で、理央の父親のものである以上どうフォローを入れれば良かったのだろうか。  ただ星が好きなだけの気の良いおじさん、そう見えた人に、一体どんな闇があったというのだろう。  残念ながら、真実を知る勇気など――俺にはなかったのだ。
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