序章

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序章

日本の四季は美しいと言われる。この四季、ほぼ全員自然と切り替わっていると思っていると思う。 それは違う。 春夏秋冬、それぞれの季節の一族が粛々と守り、巡らせているのである。 私が知ったのは高校一年生になった春。 親につれられて行った場所は山ごと神社にしたような場所だった。 建物に入る前にみんな薄ピンクの無地の着物に着替え、顔を隠すベールをつける。 私だけ、柄の入った着物を身に付け、他の人より長いベールを顔にかけられる。 入っていくと、まるで広島の厳島神社のような雰囲気の建物があった。 そこには他の色の着物を着た人たちがいる。 私達はピンク、他は朱色、薄いオレンジ、青の四色。 そのまま春、夏、秋、冬の一族を表している。 みんな一つの広い部屋に集まり、簾の向こうに1人。 さながら時代劇の殿様みたいな雰囲気。 そして私達は季節の交代のための儀式をする。
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