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「はは、なんだ、それ、」
笹尾が、苦しそうに笑う。私の制服を強く握って、絞り出すような声で、笑う。
「お前、頭おかしーよ、
何してもいい、って、俺はお前をレイプした男なのに、
そんなやつに、何してもいい、って、
馬鹿じゃん、」
そう、ね。
馬鹿よね、知ってる、あの時は、泣いて嫌がってたのに、こんなこと言うなんて、どうかしてる。
どうか、してるの。
「・・・そうよ。
頭、おかしいのよ。
お前のせいで、私、頭おかしくなっちゃったのよ。
・・・おかしい私に、お前の苦しみを、分けて。」
これは、福田さんを助けることができない後ろめたさへの償い、か?
笹尾は、何も言わない。
「・・・先生、んっ、う、」
突然の、口付け。
後頭部をがっちりと引き寄せられて、これ以上ないほど唇を密着させて、僅かの隙間で、何度も何度もキスの角度を変える。
理性の欠けらも無い、むしゃぶりつくようなキス。
「っ、・・・・・・・っ、」
笹尾自身も息がままならないのか、余裕のない、荒い吐息を漏らしていて、それでもキスを止めない。
そうよ、
全部、全部ぶつけてよ。
私は、笹尾のワイシャツのボタンに手を伸ばした。
「っ、」
キスのさなか、笹尾が少し驚く。でも、すぐにまたキスに溺れた。
もっと、ほしいの。
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