絶望的鉢合せ

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キスしながら、ひとつ、またひとつと笹尾のシャツのボタンをあけていって、全開になったところで、そのインナーの中に手を滑り込ませた。 「・・・・・・っ、」 ここで、ようやく笹尾が唇を離す。 笹尾の舌先が私の口から抜け出たところで、笹尾は顔を歪めた。 「何して、」 「・・・いいの。このままキスして。」 自ら、笹尾の唇を奪った。 笹尾は、私の口内をくすぐるように舌をうごめかせて、 ああ、 キス、きもちいい・・・・・ それに、笹尾のカラダ。 滑らかな素肌の熱が、私の手に、指に、しっとりと絡みついて、男特有の艶めかしさを感じずにはいられない。 ねぇ、もっと、もっと笹尾の熱を感じるにはどうしたらいい? 私は、そうっと唇を離すと、笹尾の座っている椅子から降りた。 笹尾は頬を赤く染めたまま、息を乱してこちらを見上げる。 「・・・白上? ・・・・・・えっ、」 私は、椅子に座る笹尾と向かい合う形で膝まづいた。 ほら、もう、何するか分かるでしょ? 視線の高さにあるものを見てから、私は笹尾の顔を見上げた。 「先生、こーゆーの、好き?」 *** 笹尾は、自己嫌悪と欲望のはざまで、ぐちゃぐちゃ。 あのあと、泣いて私をずっと抱きしめていた。 「ごめん」って言葉と、「傍にいて」って言葉を交互に吐き出して、私を抱きしめていた。 そんなに泣かなくても、そばにいるのに。 教材室を出た後、水飲み場で口をゆすぎながら思った。 ていうか、 ・・・・私、いつからこういうの、全然平気になったんだっけ。 もう覚えてないや。
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