絶望的鉢合せ

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「!」 顔を上げて、声をかけてきたのが私だと分かると、福田さんはこっちを睨んできた。 「そうやって人をいたぶって楽しいのか??僕に近寄るな!!」 別に近付きたくて近寄ってるんじゃねーよ。てか、これ以上そばに寄るつもりないし。 私は腕組みして福田さんを見据えた。 「・・・・ねぇ、なんでわざわざ学校であんな絵描いたり持ってきたりするの? やめとけばいいのに。」 我慢すればいいじゃん。 周りに合わせとけばいいじゃん。 みんなそうしてるのに、それが集団で生きていく術なのに、なんでそうしないの? 「うるさい!!!」 福田さんが、水浸しのバッグを私に向かってブンッと振り回した。 ビチャビチャ!!!!と水しぶきが私にかかって、 ちょっ、 「何すんのよ!!!」 最悪!! 顔とか制服めっちゃ濡れたんだけど!!! 「福田さんっ、」 「僕に指図するな!!」 はぁ???? 指図???してませんけど???? なんでいちいちそんなにキモいわけ??? 「別に指図なんて、」 「なんで僕が自分の好きなことを我慢しないといけないんだ?? それは法律で決まってるんですか??多勢に合わせなければならないと法律で決まっているなら是非ともご教示願いたいねぇ、僕のしてることに何か問題でも??? 自分の狭い価値観を他人に押し付けて、悦に浸ってる人間の方が愚かじゃないですかねぇ?? 僕は僕の好きなことを貫く権利があるんだけど、僕の言ってる意味、有川さんに分かるかなぁ、とにかく、なんで僕が低俗なアイツらに媚びへつらう必要がある?? 自分の好きなものをなんで隠さないといけないんですかね?? それをバカにする向こうの方がおかしいと僕は思いますが? 僕の言ってること、どこかおかしいです??おかしいならどこがどうおかしいのか、ちゃんと言ってほしいですねぇ、」 凄まじい早口で言われて、呆気に取られた。 てかキモ。
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