絶望的鉢合せ

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「つかれ、た・・・・ 白上・・・・」 どうしよ、 これだけで体の奥がうずいてくる。 笹尾が、私の太ももに・・・・ 「アンケート、有益な情報あった?」 平静を装いながら、笹尾の頬を指先の背で撫でる。 ああ、あ、 かわいい 笹尾、かわいい。 「あっ、」 唇の近くに触れた時、笹尾の舌が、私の指先を捉えた。 ぺろっ…と生暖かい舌で私の指を舐めて、 やだ、 もっとジンジンしちゃう・・・・・ 「笹尾、」 「有益な情報なんて、ない。 ・・・・それでも、もしかしたらって思ってやった。」 笹尾はこういいながら私の手を取って、そして自分の額に当てる。 ああ、笹尾を支配してるっていうこの状況に、たまらなく興奮するの。 「そっか・・・・残念だったね。」 「・・・・あと、教頭に止められた。」 教頭・・・・? 教頭といえば、前、笹尾がクラスで謝ったときにわざわざ見に来てたけど、まだ干渉してくるわけ? 「なに言われたの?」 私が訊ねると、笹尾は余程言われた内容が不本意だったのか、眉間に皺を寄せて、押し黙った。 「・・・・せんせ?」 「もう高校生なんだし、人間関係は本人たちに任せとけ、って。 学校側が余計な干渉すると、後で面倒になるから。」 ・・・・・そう。 そうなんだ。 この学校、結局、お兄ちゃんが死んだ時と、何も変わってないのね。 「・・・・酷いね。 笹尾がこんなに頑張ってるのに。 でも、その学校のスタンスのおかげで、高校生の時のお前は救われたのよね。」
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