絶望的鉢合せ

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*** 放課後になった。 今日も、教材室にはいかない。笹尾の家の近くの待ち合わせ場所で会うの。 笹尾が来るまではてきとーに雑貨屋さんとかで時間を潰して、いよいよ待ち合わせ時間。 私は、わざと少し遅れて場所に行ってみた。 すると。 「白上っ、」 私の姿を見つけるなり、余裕のない声で私を呼んだ笹尾。 約束の時間になっても私が来なくて焦った?? 「せんせ、」 「おせぇんだよっ、待たせんなっ・・・・!」 うん、やっぱり焦ったんだ。 だって笹尾、イライラしてるもん。 いいの、それ、ぜーーんぶ私にぶつけて欲しい。 「お仕事お疲れ様。」 私が余裕の笑みを浮かべると、笹尾はチッと舌打ちした。 「・・・・・・。」 「家、行きます? それともどこかに寄っていきます?」 「・・・・家。 お前連れて歩いてるとこ見られたくない。」 あっそ。まあ、いいけど。 不味いもんね、女子高生家に連れ込むなんて。 「じゃ、それでいいです。」 私は髪を払って言った。 こうして、笹尾の家に向かって歩き始めた私たち。私は、福田さんと話したことを笹尾に言うことにした。 「福田さん、なんで自分が好きなこと我慢しなきゃいけないんだって言ってました。」 「好きなことって、BLか。」 「そう。」 「あ゛―・・・。」 疲れきった声を漏らす笹尾。 そして、頭を掻いた。 「何が大切かって、人によって違うし。 クラスに溶け込むことが大事なのか、自分の好きなものを貫くことが大事なのか。 俺なんか、完全に前者だけど。」 何が、大切か。 福田さんにとっては、クラスメイトのご機嫌取りより、自分の趣味を楽しむことの方が、大事。 「・・・・。」 私が黙っていると、笹尾はチラッと私の方を見下ろした。 「お前、福田に話しかけたわけ?」 「・・・・まあ。」 「・・・ふーん。」 このタイミングで、笹尾の家に着いた。 すると笹尾は私の方を振り向いて、ふわっと、私の口に手で蓋をする。 「ん、」 「こっから先は、俺の仕事の話すんな。 ・・・忘れさせて、全部。」
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