絶望的鉢合せ

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1回目、行った時はお風呂からのレイプで、2回目行った時は速攻レイプ。 でも、今回は違っていた。 「・・・・白上っ、」 家に入るなり、私を後ろから抱きしめてきた笹尾。 まるで待ちきれないと言わんばかり。 私は笹尾の手に触れて小さく笑う。 「まだここ玄関ですけど。」 「っ、 ・・・ずっと、こうしたかった。」 私をかき寄せるように抱きしめて、私の香りを確かめて、吐息混じりに囁く笹尾。 ああ、笹尾がかわいい。 噛み付きたいほど。 「ちゃんと我慢できた? 私が教材室に行かなかった間。」 こう訊ねると、笹尾の私を抱く力がますます強くなって。 そして、私の耳元で小さく返事をしてきた。 「・・・訊くな、馬鹿。」 あは。 なにそれ、ナニしてたの? 笹尾せんせ。 「せんせ、可愛いね。」 「うるせぇ黙れ、 っ、 ほんと、俺、おかしい・・・・」 笹尾は絞り出すようにこう言って、そして、ふ、と吐息を漏らした。 まるで、ようやく安堵したかのような、そんな吐息。 「・・・今日は、ずっと一緒にいてあげる。」 もっと、もっと、ほしいの。 お前のことが。 笹尾は何も言わずに小さく鼻を啜った。 大丈夫よ、傍にいてあげる。
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