2383人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだこれ！！！！」
千奈が嫌がってた体育の前の休憩時間。
女子更衣室で着替えていたら、福田さんが声を上げた。
声につられて福田さんの方を見ると、
「うわっ・・・・」
「え、嘘、」
「すごっ・・・・」
その衝撃的な光景に、みんなの動きが止まった。
福田さんが手に持っている体操服。
ハサミか何かで、ズタズタに切り裂かれている。
え、マジで・・・・・？？
「誰だ！！こんなことしたのは！！」
福田さんは目を釣り上げて、私たち全員を睨んだ。
そして、一人一人に体操服を突きつけて「お前か！！お前か！！」と叫び散らす。
いや、嘘でしょ、人のもの切り刻むってどんな神経よ、怖っ・・・・・・
そんな中でも、ミキちゃんたちは余裕の表情だった。
喚く福田さんを見てクスクス笑って、「キモッ、」と目配せをしている。
もちろん、福田さんはミキちゃんにも体操服を突きつけた。
「お前か！！！お前がやったのか！！！」
「はぁ？？？
人に向かってお前とか何様のつもり？？勝手に犯人扱いしないでくれるぅ？？
てか、その体操服クッッサ(笑)
ちゃんと洗ってんの？」
ミキちゃんがこう言うと、取り巻きの子たちが吹き出すように笑って、福田さんは慌てて体操服を引っ込めた。
それを見て、取り巻きのサヤカちゃんが口を挟む。
「え、何、まじで洗ってないの？？？
やばくない！？なんで？え、無理、不潔すぎ、」
「あ、洗ってるっ、」
さっきとは比べ物にならない程、小さな声で反論した福田さん。
福田さんは体操服を抱きしめると、バタバタと更衣室を出ていった。
「やっば・・・・すごくない？」
私の隣で、目をクリクリと丸くさせている千奈。
凄いっていうか、
これ、
さすがにかなりヤバいと思うんだけど・・・
ねぇ、
もし、私のことがネットに書かれたら、
私も、ああなるの？
最初のコメントを投稿しよう！