献花台

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「起立っっっ!!! 気をつけっっっっ!!礼!!!!!!!!!」 野球部での、まるで軍隊のような挨拶の仕方を、そのままクラスでも実践する相本くん。 友愛高校の野球部はかなり強くて、監督が厳しいことで有名だ。 ・・・・どーでもいい。 笹尾はケラケラと笑った。 「さっすが野球部。気合いはいってるじゃん。 あれだっけ、野球部って入学前から寮に入るんだっけ? ど?きびしい?」 黒板のチョーク置きに手をかけて、小首を傾げつつ、軽いノリで訊ねる笹尾。 初めてみる人からすれば、笹尾は、アッサリしてて、ちょっと緩そうな先生に見えるだろう。 相本くんは「はい!!」と勢いよく返事した。 「監督からはっっ!! クラスでなにか問題起こしたらすぐわかるんだからな?と釘を刺されています!!!! 正直めっちゃ怖いですっっ!!」 クラスに、クスクスと小さな笑い声が起こる。 後ろから千奈も、「相本くんおもしろ~い!」と小声で囁いてきた。 笹尾もクッと、口元に手を当てて笑う。 「分かる分かる、反田先生怖いよな~。 じゃ、ま、相本くんはきっとこの1年間、問題を起こさないでいてくれるでしょう。」 「や!!!既に課題考査欠点取りそうです!!!!」 ハハハ、と、今度はみんな声を出して笑った。 相本くんのせいで、みんなが笹尾に対して良い印象を持ち始めている。 きっしょ。 笹尾は苦笑いした。 「欠点? 課題ちゃんとやってたら100点余裕なんだけどなぁ。 てことだから、入学早々まだ課題出してない勇者の皆さんはとっとと課題を出しなさい。」 笹尾がニヒルに笑うと、何人がソワソワと苦笑いした。 へー。 ちゃんと先生の皮をかぶってんのね。 平気で人をイジメて、人ひとり殺しといても、ちゃーーーーーんと皮被れるのね。 それとも、そもそも皮なんか被ってないのかな? 人殺しした過去は、ぜーーーんぜん気にもとめてない? 本性を隠して皮を被っているんだとしても、過去を気にせず、意気揚々と先生をやってるんだとしても、どっちにしても、お前異常者だからさっさと死んだ方がいいよ。
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